3分でわかるラオス ~ラオスって、どんな国?~
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この記事でわかること
ラオスでは都市と農村、民族間で教育や医療などの格差が大きく、5歳未満児の死亡率や栄養不良、識字率の低さが深刻です。ワールド・ビジョン・ジャパンは地域と連携し、教育・栄養改善や生計向上に取り組んでいます。持続可能な地域発展に向けた支援が進められています。
ラオス支援に関わる宮内スタッフが解説します!
ラオス人民民主共和国(以下、ラオス)の基礎データ
首都 | ビエンチャン |
言語 | ラオス語 |
民族 | ラオ族(全人口の約半数以上57.1%)を含む計50民族 |
宗教 | 仏教(人口の約64.7%)。アニミズムの影響も強い |
面積 | 24万㎢ |
人口 | 約649万人(2015年,ラオス統計局) |
ラオスって、どんな国?
東南アジア内陸に位置する多民族・社会主義国家。1953年にフランスから独立後、内戦を繰り返し、1975年にラオス人民民主共和国が成立。長期にわたり政治的・軍事的に不安定だったため人材の国外流出が起き、経済開発が遅れています。国土の3分の1以上にベトナム戦争時に投下された爆弾が不発弾として残っていると推定されており*1 、土地利用・経済活動を阻んでいます。農業(特に稲作)が全雇用の7割以上、GDPの約25%を占めています*2 。ASEAN加盟国中で出生率が最も高く、全人口の42.9%が18歳以下となっています *3。
後発開発途上国*4であるものの、近年では経済的成長を遂げており、2011年には低位中所得国となりました。一方で経済成長の大部分を自然資源に頼っており、経済成長の恩恵が均等に行き渡らず環境破壊や都市部・農村部、民族間などの格差が問題となっています。
ラオスでは政府の規制により、チャイルドの個人情報や写真のお届け、手紙のやりとりをしていただくことができなくなりました。しかし、ラオスの子どもたちへの支援継続が必要な状況に変わりはなく、ワールド・ビジョンは引き続き地域での活動を実施しています。地図の★印のついた地域で活動を行っています。
人々はどんな問題に直面しているの?
ラオスでは都市部・農村部、民族間における格差が顕著です。また、教育、医療などの社会サービスの質が問題となっており、行政システムの能力強化、人権の保障も課題です。
- 貧困率(1日1.25ドル以下で暮らす人口):高地33%、低地19% *1
- 5歳未満児死亡率:1000人あたり46 (地域国で最高。おもな原因は下痢、肺炎) *5
- 人口の約20%が栄養不良*1 で、5歳未満の子どもの33%が発育阻害 *6
- 識字率:ラオ族93.3%、カタン族(少数民族)51% *3
- 小学校を退学する子ども:毎年1万人 *1
- 読解力調査で単語を1つも読めなかった小学2年生生徒:30%、文章を読めても意味が理解できなかった生徒57% *7
- 最終学年まで教育を受けられない小学校:20% *1
- 給水施設・トイレの両方がある学校: 66% *8
- 20~49歳の女性のうち37%が18歳までに結婚 *8
データ出典
*1 国連 Country Analaysis Report: Lao PDR (2015)
*2 FAO (2010)
*3 Population and Housing Census(2015)
*4 開発途上国のなかでも特に開発が遅れている国
*5 UN Inter-Agency Group for Child Mortality Estimation (2019)
*6 Lao Social Indicator Survey II (2018)
*7 Early Grade Reading Assessment (2012)
*8 UNICEF Lao PDR
宮内スタッフより一言
ワールド・ビジョン・ジャパン支援事業部 開発事業第1課
宮内 繭子(みやうち まゆこ)
豊かな自然にのんびりとした雰囲気、穏やかな人々が魅力のラオスですが、人々の微笑みの半面で多くの課題を抱えています。愛国心が強く国の発展に少しでも貢献したいと願うラオスの人々とともに、ワールド・ビジョンはコミュニティと連携して生計向上、栄養・教育の改善に取り組んでいます。2019年12月からは外務省のご支援により教育事業を開始しています。ラオスの子どもたちの豊かな成長のため応援をよろしくお願いします。
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