【シリア】北西部地域で実施している教育事業の現場から
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長年にわたる紛争や2023年2月の地震により、シリア北西部では多くの学校が使えなくなりました。一方で、国内避難民の流入により子どもたちの数は増え、教室不足および教員不足が深刻でした。
地域の教育を支える行政機関には十分な資金もなく、壊れたままの校舎で授業を続ける先生や子どもたち、子どもたちのため無給で働きつづける先生たち、そして学校へ通うことをあきらめてしまう子どもたちが多くいます。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金と、日本の皆さまの募金により、2022年10月からシリア北西部で子どもたちの学びを支える支援事業を行っています。まずは校舎の修繕と増設を行った後、先生たちに安定した給与を払うための支援や、文房具の提供、紛争や地震で傷ついた子どもたちの心身のケアなどの支援を、引き続き行っています。今回は、現場から届いた写真や動画をご紹介します。
子どもたちに、まずは学びの場を
1期目:2022年10月~2024年9月
1期目となる2022年10月から2024年9月に実施した事業では、学校の校舎の修繕および増設を行いました。事業実施中の2023年2月6日にトルコ・シリア大地震が発生したため、事業は一時中断されてしまいました。また、地震によっても多くの学校の校舎が損壊しました。ワールド・ビジョンは地域の学校が受けた地震の被害も分析しつつ、早急に事業を再開し、計5校の修繕と増設を行いました。
校舎の修繕と増設により、地域の子どもたちに、安全で機能的な設備の整った学習の場を提供し、就学率の向上に貢献することができました。


子どもたちに、学びつづけてほしい
2期目:2023年9月~2024年9月、3期目:2024年9月~(実施中)
2023年9月から2024年9月まで実施した2期目と、2024年9月から実施中の3期目では、1期目で修繕・増設した学校を引き続き支援しています。子どもたちが通う学校の校舎を用意するだけでは終わらせず、子どもたちが学びつづけられるように、学校の継続的な運営を支えています。
事業では、学校の電気代や水道代などの運営費を支援するとともに、先生たちの給与の支給、文房具などの教材の提供、冬の暖房用燃料の補給を行っています。さらに、紛争や地震の影響を受けた子どもたちの心身をケアする心理社会的支援、PTAの設立・運営の支援なども提供しています。



シリアのこれから
2024年4月から、シリア事業を担当させていただいている高尾です。
ワールド・ビジョン入団後、初めて担当することになったシリア北西部の教育事業を通して、シリアの人たちの長年の苦難を知りました。14年以上にわたる紛争下での、希望の見えない生活は、とても長く、とても苦しいマラソンのようなのではないかと感じます。ワールド・ビジョンのスタッフとして、これからも支援に全力で取り組み、特にシリアの子どもたちに、より明るい未来を届けたいと願っています。
2024年12月、前政権の崩壊によりシリアの状況は大きな変化を迎えました。シリアの人々は、これからの復興に期待を寄せ、国の再建のため前向きに動き始めようとしています。しかし、いまだ完全には止まない戦闘や暴力行為に、苛まれる人たちも多くいます。また同時に、物価上昇や破壊されたままのインフラなど、復興を阻む困難も多く、引き続き支援が不可欠な状況です。
ワールド・ビジョンは、これからもシリアの人々への支援を続けていきます。引き続き、応援よろしくお願いいたします!

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