【熊本地震 第6報】 発生から1カ月、子どもたちの日常を取り戻すために

(2016.05.13)

きめ細やかに、寄り添う支援を

熊本・大分両県に甚大な被害をもたらした熊本地震から、14日で1カ月を迎えます。これまでに49人が亡くなり、1人が行方不明、いまだ避難生活を送る人は1万人以上に上ります。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、避難生活を送る方々のニーズに沿うこと、行政では手が回らないニーズにきめ細やかに対応すること、そして、被災した子どもたちの心に寄り添うことを目指して、支援を続けています。

熊本地震で崩れた家
地震で崩れた家。1階部分が完全に押しつぶされています

2,736人に支援物資を届けました

ワールド・ビジョン・ジャパンは、地震発生後の4月17日から物資支援を開始。避難所から要望のあった、飲料、衛生用品、ビニール袋等を、益城町総合体育館に避難されていた1,200人に届けました。

また、日頃からご支援くださっている企業と連携し、益城町や熊本市の避難所で生活される方々を対象に、毛布、タオル、下着、水等を配布。5月11日までに、2,736人に支援を届けました。

「(避難所で配布される)おにぎりはありがたいのですが、味にバリエーションがあればなと思っていたところでした。(WVJが届けた)漬物が大活躍です」避難生活をおくる女性が、笑顔で語ってくれました。

物資を積んだトラックが到着
運搬された物資を確認するスタッフ(右)

子どもの居場所を作り、見守る支援

4月21日からは、益城町総合体育館の避難所で、熊本YMCAと協働で、子どもたちが安心して遊べる「プレイルーム」を運営。後日開設した屋外の「プレイパーク」と合わせ、これまでにのべ1,600人以上の子どもたちが利用しています。

プレイルームを利用する4歳と5歳の孫をもつおばあちゃんは、「車中泊なのですが、子どものストレスが溜まると夜泣きするんです。夜泣きは親にもストレスになるので、こういう場所で発散できるのはありがたいです」と言います。

5月9日に益城町にあるすべての公立小中学校が再開してからも、学校が終わってから遊びに来る子どもたちがたくさんいます。4月に小学生になったばかりの女の子は、「今日は学校に行けたよ!まだ授業はないけど、先生のお話を聞いているのが楽しい」と話してくれました。少しずつですが、被災前の生活リズムが戻りつつあります。

今後は、「プレイルーム」「プレイパーク」での様子を子どもたちが通う学校の先生に共有するなどして、学校との連携をとりながら、引き続き子どもたちを見守ります。

プレイルームでお話に聞き入る子どもたち
プレイルームでお話に聞き入る子どもたち

キリスト教会とのつながりをいかして

キリスト教精神に基づいて活動するNGOワールド・ビジョン・ジャパンは、教会と連携した支援活動も実施しています。

被災地域と教会を支援するために設立された九州キリスト災害支援センターの協力団体として、活動拠点である熊本ハーベストチャーチに東日本大震災の復興支援経験をもつスタッフを派遣。熊本市立泉ヶ丘小学校や益城病院での炊き出しや、5月5日に御船町で開催したこどもの日イベントの運営等をサポートしました。

こどもの日イベントの様子
こどもの日イベントの様子。「ロケット飛ばし」に興味津々の子どもたち

子どもたちの日常を取り戻すために

今後は、避難所での「プレイルーム」「プレイパーク」を継続するほか、益城町の全小中学校で給食支援を5月16日から開始します。これにより、当初予定されていたパンと牛乳の簡易給食に加えて、チーズやゼリー等の補助食品3品が加わります。このほかにも、再開した学校で子どもたちがより良い環境で学べるための支援を検討しています。


プレイパークでのびのびと遊ぶ子どもたち
「プレイパーク」では、小中学生を中心とする子どもたちがのびのびと体を動かしています

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