モンゴル、ハイラアスト地域が支援卒業を迎えました

(2022.10.7)

チャイルド・スポンサーシップを通して2005年から17年間ご支援いただいてきたモンゴル、ハイラアスト地域は、当初の計画を達成し、2022年9月末日をもってプログラム終了を迎えました。

皆さまのご支援により、地域が変わり、子どもたちが「豊かないのち」を生きられるようになりました。
心からの感謝とともに、地域での活動をご報告いたします。

教育:教育の質を改善し、学びの環境を整えることができました

ハイラアスト地域では人口の急増によって教育施設や設備が不足し、教員は行政の資金不足から必要な研修を受講できていない状況でした。また世帯の多くは貧困や失業などの問題を抱え、子どもの教育は重要視されていませんでした。これらの課題を改善するため、学校や幼稚園の設備改修や備品の支援を行ったほか、教員らを対象に指導法の研修などを実施し、教育の質の向上を目指しました。

こうした取り組みによって、多くの子どもたちが、支援終了後もより良い環境で学習を続けられるようになっています。また学校以外でも学習や職業訓練の機会が得られるよう、子どもたちにライフ・スキル(日常生活で生じるさまざまな問題に対処するために必要な能力)教育を実施しました。

幼稚園に通っていない子どもを対象にした就学前教育の様子
幼稚園に通っていない子どもを対象にした就学前教育の様子

子どもの保護:子どもたちが安全に暮らせる地域に変化しています

支援地域の住民の間では、子どもの保護に関する知識が浸透しておらず、家庭や教育現場では好ましくないしつけが行われていました。また貧困や失業率の高さといった地域の問題が、子どもたちを健やかに育むための環境作りの妨げとなっていました。一方子どもたち自身も、不適切な行為とは何か、暴力などの被害にあったときにどう対処すべきかを知りませんでした。

そこで保護者に対しては、暴力・体罰が子どもの成長に与える影響を周知する啓発活動を行い、子どもたちには、子どもの保護や権利について自ら考え、発信する様々な活動の場を設けました。さらに、子どもの権利や安全が侵害された場合に相談・通報する手段の確認や、子どもの保護にまつわる規則の策定にも取り組んだ結果、家庭と地域の両方が、子どもたちにとってより安全な場所へと変化しました。

支援地域から感謝の動画メッセージが届いています!

支援を受けたチャイルドの声

母親、妹と暮らすアリウンズルさんがチャイルド・スポンサーシップに参加したのは、6 歳のときです。それまでは内気で自分の気持ちを表現するのが苦手でしたが、ワールド・ビジョンが運営する子どもクラブに入ると、友達が増えて、自己表現力もつき、自分に自信が持てるようになりました。

健やかに成長していたアリウンズルさんでしたが、一家は経済的な不安に直面します。アリウンズルさんが高校を卒業して大学に進学する頃、母親が失業してしまったのです。「幼い妹もいましたし、これからの生活を考えると、とても不安でした。でもさまざまなサポートと機会が与えられたおかげで、無事に大学を卒業し、今では会社員として働いて、母と妹の生活を支えることができています」

いつも私を信頼し、サポートしてくれる人たちがいる――そう思えることで、困難の中でも、きっと未来は明るいのだと希望を持ち続けることができました。親愛なるスポンサーの皆さま、私たちの人生に多くの素晴らしい機会を与えてくださって、本当にありがとうございます。そして地域を支え、子どもたちに安全な学習環境を提供してくださることにも感謝します。これからは私もたくさんの人たちを支えていけるように、頑張ります。

アリウンズルさん(21歳)「私を信頼してくれる人たちがいる―そう思えることで、困難の中でも希望を持てました」

アリウンズルさん(21歳)「私を信頼してくれる人たちがいる―そう思えることで、困難の中でも希望を持てました」