「会ってお礼が伝えたい」~タンさんと西澤さんのエピソード~

2013.01.24

2012年の冬、チャイルド・スポンサーシップの「つながり」を象徴するような、あたたかいエピソードがうまれました。
「こんなドラマみたいなことって、本当に起きるんだ!」と、スタッフさえ驚き、感動の涙を流したこのエピソードを、
改めて紹介します。

2012年6月、ワールド・ビジョン・ジャパンの事務所に一通のEメールが届きました。そのメールには、こんな内容が書かれていました。
「知り合いのベトナム人医師が、子どものころに貴団体を通してお世話になった日本人のスポンサーの方を探しています。
ニシザワ タマエさんといいます」

ハノイ市内の病院で腫瘍科の医師として働くタンさん

このEメールの問い合わせを受けて調べたところ、確かに約20年前にベトナムの男の子を支援していた西澤さんというチャイルド・スポンサーがいらっしゃること、そして西澤さんは現在も支援を継続くださっていることが分かりました。

1992年から1997年までチャイルド・スポンサーシップで支援を受けていた元チャイルド、グエン・ヴィエット・タンさんは現在28歳。ハノイの病院で医師として働いています。

「医者になるという夢が叶えられたのは、西澤さんの支えがあったからこそ。
会って直接お礼を伝えたい」

という、タンさんのもう一つの夢が実現することになりました。

「タンさん、よく探してくださって・・・」と西澤さん

12月に来日したタンさんは、大阪・東京で開催されたワールド・ビジョン・カフェで西澤さんへの思いを語ってくださいました。
タンさんが来日直後に西澤さんに対面したときのようすが映像で紹介されると、会場の多くの方が感激で目を潤ませていらっしゃいました。
(お二人が対面した時の様子は、こちらからご覧いただけます)

タンさんが15年ぶりに西澤さんへ綴った手紙   ~皆さんのご支援に、心から感謝します~

酒井美紀さんがお手紙を朗読される様子

チャイルド・スポンサー西澤さんからいただいた手紙に励まされ、勉強に励み、夢をかなえることができたというタンさん。

チャイルド・スポンサーシップの支援は目に見える成果のほか、心のつながりも育み、そのことがチャイルドの心の成長に大きな影響を与えていることが、タンさん自身の口で語られました。

西澤さんより、タンさんへの思いがお手紙で朗読され、その後、タンさんが15年ぶりに西澤さんへ綴った手紙の日本語訳が、酒井美紀さんの朗読により披露されました。

西澤さんからの手紙を今も大切にしているタンさん

親愛なる恩人の西澤たまえ様

1997年8月8日、チャイルド・スポンサーシップのプロジェクトが終了して、最後に送ってくださった手紙に、「これからも勉強を頑張って」と書いてくださいました。僕はその励ましを胸に、一生懸命に勉強することを決心しました。

それまでたまえさんからいただいていたお手紙やカードのメッセージは、いつも僕の心を支えてくれていました。たまえさんの励ましがあったからこそ、お医者さんになりたい、という幼いころからの夢をかなえることができたと思っています。

今回はじめて日本を訪れ、たまえさんや、たくさんの日本の方にお会いしました。
幸せで、豊かな国にいるみなさんは、心が豊かで、本当にすてきだと思いました。

思いを語るタンさん、涙ぐまれる西澤さん

日本のみなさんがチャイルド・スポンサーとしてご支援くださっていることで、昔の僕たちのような、困難な状況にいる子どもたち何人ものが助かっているのです。
皆さんがしてくださるご支援に、心から感謝します。

僕はこれからも前に進み、頑張ります。
お医者さんとしてもっと人の役にたち、また患者さんの心も支えられるようになりたいと思っています。

最後にたまえさん、「お母さん」と呼ばせてください。
「お母さん、ありがとう」。支えくれたことに、心から感謝しています。
 
DR グエン・ヴィエット・タン

西澤さんがタンさんに綴った手紙  ~愛の輪が広がって...

西澤さんが書かれた直筆のお手紙

12月15日のワールド・ビジョン・カフェスペシャルでは、西澤さんがタンさんへの想いを綴った手紙を読み上げてくださいました。一部をご紹介します。

「21年前、すでにチャイルド・スポンサーになっていた姉からスポンサーになるようにすすめられました時、一人の子どもだけを支援するのは、いかがなものかと...と躊躇しておりました。

ささやかな愛をチャイルドが受け止めてくださり、その愛をもって他の人に関わってくれれば、水面に一石を投じた時に起こるさざ波のような輪、愛の輪が広がって行くのではないかと考て、スポンサーになりました。

ワールド・ビジョンから年に一度、タンさんの成長記録と写真を送ってきてくださり、
その成長を見るたびに、わが子を見守るような喜びをいただきました。
筆不精な私はまめではありませんでしたが、書いた手紙をワールド・ビジョンに翻訳していただきました。
タンさんは、「私の手紙にはげまされた」とおっしゃってくださいましたが、それは、ボランティアの皆さまが、
私以上に愛を注いで翻訳してくださったからだと思っております。

「チャイルドは、ささやかな愛をしっかり受け止めてくだっています」

写真右、手紙を読むチャイルド・スポンサー西澤さん、写真左、元支援チャイルドタンさん


私は、73歳です。それなりの苦労もしてきましたが、今は、愛する尊敬する夫に恵まれ支えられています。当初夫は、こうした支援に関心がありませんでした。むしろいかがわしくおもっていたのかもしれません。それでも、チャイルドの写真から成長の過程が手に取るように解ったのでしょう。スポンサーシップが確かなものと理解してくれるようになり、それからは良き協力者となってくれています。

私と同じ世代の多くの方が「残された人生・やり残したことを成し遂げたい」とおっしゃっていますが、漫然と生きてきた私は、先を見据えた時、何をしてきたのだろうかと、自問、自答しておりました。

今、私は先を見据えての迷いがなくなりました。タンさんが気づかせてくださいました。タンさんは、ささやかな愛をしっかり受け止めてくだっています。そして、その愛をもって、お医者さんとして、多くの人たちを助けてくださっています。

卒業していった5人のチャイルドが、今、どこで、どうしているのかわかりませんが、きっと、愛を受け止めてくれていると思えるのです。

「心の交流をしてみませんか?愛の足跡は必ず残ります」

タンさんと西澤さん


澄んだ目をしたかわいいチャイルドが私たちチャイルド・スポンサーを必要としています。キラキラが輝くお星さまと心の交流をしてみませんか?愛の足跡は必ず残ります。

今日、この日を迎えることが出来ましたのは、多くの方達のご助力があればこそ、皆さまの愛の賜物と心よりの感謝を申し上げます」

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1日150円、ペットボトル1本分のお金で、今日もすこしづつ幸せになっていく子どもがいる。
その幸せは、きっとあなたを幸せにする。
いっしょに幸せになろうチャイルド・スポンサーシップ
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