「子どもの権利条約」25周年 記念連載①

2014.10.21

歴史上、もっとも多くの参加を得ている人権条約

今から25年前の11月20日、1989年、「子どもの権利条約」が誕生しました。この条約は、誕生から25年の間に、国際的に子どもを大切な存在と位置づけることに成功し、多くの子どもたちの命と成長を守ることに大きく貢献してきました。2014年現在、194の国と地域がこの条約を締結していて、人権条約としては歴史上もっとも多くの参加を得ています。

子どもの権利を守ることは、大人にとって義務と責任を伴うものとなり、世界各国は、子どもの権利を守るための自らの行動についてともに目標を掲げて進んでいます。子どもの成長を大切にしようという国際的な意思と行動により、「子どもの権利条約」によって、世界の多くの子どもたちの状況が改善されてきました。たとえば、

  • 1990年と同じ乳幼児死亡率のままだったら命を落としていたに違いない9,000万人の幼い命が救われています。
  • 1990年には53%だった後発開発途上国の初等教育就学率が、2011年には81%にまで改善しました。

今も、権利が守られていない子どもたち

しかし一方で、物理的、社会的に手をさしのべることが難しい環境にある子どもたちが、相変わらず取り残されていることが指摘されています。今もなお、

  • 年間630万人の子どもたちが、防げるはずの原因のために5歳の誕生日を迎えられずに亡くなっています。
  • 230万人の子どもたちが出生登録が行われていないため、成長に必要な保健ケアや教育などを受けられず、社会の中で存在を証明する手段を持てずにいます。
  • 年間5~15億人の子どもたちが暴力にあっています。
  • 約100万人の子どもたちが人身取引の結果、強制的な児童労働を課せられています。
  • 5~14歳の子どもたちのうち1億5800万人が労働に従事し、この中で女の子の11%が15歳になる前の早婚を強いられています。
  • ワールド・ビジョンは、もっとも弱い立場にある子どもたちの権利が守られるように、今後も多くの方々と協力しながら活動を続けていきます。

「子どもの権利条約」25周年記念の無料映画上映会

© 2013 - Winds - Ymagis - Herodiade 11/19(水)19:00~中野ゼロホールで無料上映会を行います

「子どもの権利条約」誕生から25周年を記念し、皆さまと一緒に世界の子どもについて知り、世界の子どもたちを身近に感じていただくことを目的として、映画「世界の果ての通学路」の無料上映会を開催します。

山を越え、草原を抜け、数十キロの危険な道のりを通学し、未来を切り開こうとする子どもたちの姿をとらえた、話題のドキュメンタリー映画です。

「子どもの権利条約」の柱となる「生きる」「育つ」「守られる」「参加する」という4つの権利の詳細はこちら

「生きる権利」 「育つ権利」 「守られる権利」 「参加する権利」

●「子どもの権利条約」について詳しくはこちら