3/8は国際女性の日:ワールド・ビジョンの栄養改善の取組み

2012.03.08

母と祖母は教育を受けることができませんでしたが、サンディちゃん(右)はワールド・ビジョンの支援により、教育を受けることができるようになりました(ホンデュラス)
母と祖母は教育を受けることができませんでしたが、サンディちゃん(右)はワールド・ビジョンの支援により、教育を受けることができるようになりました(ホンデュラス)

3月8日は、女性が社会を改善するために大きな働きを行ってきたことを祝う「国際女性の日」です。女性の権利やジェンダーの平等を実現するための進歩を祝うと同時に、今後のさらなる改善に向けて話し合う日です。

女性の権利が促進され、女性が社会で活躍できるようになり、ジェンダー格差は縮まってきました。しかし、多くの女性たちは弱い立場にあり、十分な教育や保健ケアを受けることができていません。

弱い立場にある女性や子どもたちが、教育や保健を受ける機会を持つことができ、一人ひとりが持つ力を活かすことができるよう、ワールド・ビジョンは活動を行っています。

命を救うために、栄養への取組みが不可欠です

命のための栄養
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女性の中でも妊産婦は特に弱い立場にあり、出産により命を落とす女性も多くいます。国連ミレニアム開発目標(MDGs)の「妊産婦の健康の改善」(MDG5)は最も進捗が遅れている目標の1つであり、大きな前進が必要な分野です。

妊産婦の健康の改善は、子どもの命を守るためにも必須です。そして、妊産婦や乳幼児の健康を改善するためには、栄養への取組みを広めることが鍵となります。ワールド・ビジョンは「子どもの保健基盤を強化する栄養」 レポート(PDF)の中で、これまで取組んできた栄養改善の方法を紹介しています。

お母さん自身に栄養改善に取組む力を

栄養クラブを通して、家庭菜園や家畜について学ぶお母さんたち(ベトナム)
栄養クラブを通して、家庭菜園や家畜について学ぶお母さんたち(ベトナム)

栄養不良をなくすためには、保健システムの強化なども必要ですが、家庭や地域の人々自身が栄養改善に取組む力をつけることが重要です。

お母さんや赤ちゃんが必要な栄養に関する知識や母乳による育児の重要性を、出産前に、妊産婦が理解することが大切です。また、妊産婦が栄養のある食事をとることができるよう地域で支えることも重要です。

出産後6カ月間は、妊産婦が栄養のある食事を摂取し、母乳による育児を進めることが必要です。子どもが2歳になるまでの期間は、子どもの成長にとって極めて重要な時期です。この期間に、お母さんが、地域で入手できる栄養のある食材の知識を身につけ、栄養のある食事を継続的にとることが、子どもの栄養改善につながります。


ワールド・ビジョンの栄養改善の取組み

「栄養クラブ」の活動でお母さんが学んだ食事を食べさせてもらう子どもたち(ベトナム)
「栄養クラブ」の活動でお母さんが学んだ食事を食べさせてもらう子どもたち(ベトナム)

ワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーシップを通して支援しているベトナムのムオンチャ地域開発プログラムでは、栄養改善の活動を行っています。

山岳少数民族が多いこの地域では、保健や栄養の知識と調理法等の技術の普及が課題でした。ワールド・ビジョンが実施した調査によると、離乳を始める生後6カ月から5歳未満の子どもたちの多くが栄養不良だったため、栄養改善の活動を行うことになりました。
行政とも協力し、お母さんを対象に「栄養クラブ」を立ち上げ、月2回、栄養価の高い食事の作り方と保健や栄養の知識を伝えています。

参加者の一人のお母さんは、「以前は、子どもに離乳食として米のおかゆだけを食べさせていたけれど、研修を受けてから、おかゆに野菜などを入れるようになりました。また、子どもの月齢にあった食事を作ることを学びました」と話しました。

このような活動を通して、お母さんたちが栄養についての意識を高め、家庭でも栄養改善を実践できることを目指しています。


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チャイルド・スポンサーシップについては、こちら

ワールド・ビジョンは、各国政府に対して子どもたちを救う取組みの拡充を求める「Child Health Now-アクション!救えるはずの命のために」というグローバル・キャンペーンを実施しています。
特に弱い立場にいる妊産婦や子どもたちを救うため、署名へのご協力をお願いします。

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