「伊勢志摩サミット」へ向けて ~「G7サミット市民社会プラットフォーム」の設立~

(2015.01.06)




G7と市民社会について

2015年4月にドイツで開催された市民社会によるサミットに参加したワールド・ビジョンのメンバー。日本からは柴田スタッフ(左端)が参加。
2015年4月にドイツで開催された"Civil G7 Dialogue(G7市民社会対話)"に参加したワールド・ビジョンのメンバー。日本からは柴田スタッフ(左端)が参加。

2016年は、日本がG7サミット(主要国首脳会議)の議長国となり、5月26~27日に三重県志摩市賢島にて「伊勢志摩サミット」が開催されます。

今回のG7(※1)は、2030年までの達成を目指す新たな開発アジェンダ「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択後、初めて開催されるサミットとなります。「誰も取り残さない(Leave no one behind)」というSDGsの基本精神の実現に向け、G7各国(アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、日本)がどのようにリーダーシップをとっていくのかを、世界中が注視しています。

一方、SDGsで掲げる地球規模の課題に対応するには、政府・民間企業・市民社会がそれぞれの経験、専門的知見、技術などを共有し課題に取り組む、グローバルなパートナーシップが必要不可欠です。そのため、グローバル・パートナーシップの強化はSDGsの目標のひとつにも掲げられています(※2)
特に、環境・開発・人道支援など、地球規模の課題に現場で取り組む市民社会が持つ問題意識、経験、知見は、G7による議論をより現実を踏まえたものとするためにも不可欠なものとなっています。

そのため近年では、サミットに先立って、議長国政府と市民社会の対話の機会が設けられることが通例となっています。
2015年6月にドイツ・エルマウで開催されたG7サミットでは、サミットに先立ち、4月にドイツ・ベルリンで "Civil G7 Dialogue(G7市民社会対話)" が開催されました。そこではドイツの市民社会を中心としたG7諸国から計183名が参加し、G7で取り上げられるアジェンダ(議題)の内容をめぐりメルケル首相との対話が行われました。

「G7サミット市民社会プラットフォーム」とは

設立イベントに先立ち、「G7サミット市民社会プラットフォーム」の参加団体メンバーと海外ゲストが集まり、G7へ向けた具体的な働きかけ方について活発な意見交換を行いました。前列左端が柴田スタッフ、二列目左端が志澤スタッフ。
設立イベントに先立ち、「G7サミット市民社会プラットフォーム」の参加団体メンバーと海外ゲストが集まり、G7へ向けた具体的な働きかけ方について活発な意見交換を行いました。ワールド・ビジョンから柴田スタッフ(前列左端)、志澤スタッフ(二列目左端)が参加。(写真提供:動く→動かす)
今年5月の伊勢志摩サミットでも、こうした対話の機会が設けられ、また、サミットでの協議内容に市民からの声が反映されるよう、日本のNGOネットワーク団体が呼びかけを行い、2015年11月26日に「G7サミット市民社会プラットフォーム」が設立されました。

12月14日の設立記念イベントには、海外の市民社会からのゲストも参加し、日本各地から集まった多くのNGO関係者で会場は熱気に包まれました。

冒頭挨拶に立った外務省外務審議官(G7シェルパ)からは、「市民社会と協力・協働して世界の課題に取り組みたい」とのスピーチがありました。続いて海外ゲストや参加団体からは、2008年G8洞爺湖サミットの振り返り、サミットに対する世界の市民社会の取り組み概要、ドイツ・エルマウでのサミットの成果と課題の共有などが発表されました。

ワールド・ビジョン・ジャパンもこのプラットフォームの一員として、積極的に活動しています。


G7伊勢志摩サミットに向けたワールド・ビジョン・ジャパンの取り組み

「G7サミット市民社会プラットフォーム」設立イベントにて、保健分野のNGOを代表して政策提言活動の報告を行う柴田スタッフ。
「G7サミット市民社会プラットフォーム」設立イベントにて、保健分野のNGOを代表して政策提言活動の紹介を行う柴田スタッフ。
伊勢志摩サミットでは、特に保健分野において、すべての人が経済的・社会的障壁に直面することなく質の高い保健サービスにアクセスできることをめざす「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」などが大きなテーマの一つとなることから、ワールド・ビジョン・ジャパンでは保健分野で活動する他のNGOとともに、2015年11月に「G7伊勢志摩サミットの保健アジェンダに関する提言」を作成しました。

今回の「G7サミット市民社会プラットフォーム」設立イベントでは、柴田スタッフがこうした保健分野での市民社会の動きを紹介しました。保健に関するG7の議論がSDGsの基本精神に則ったものとなることや、UHCが市民社会・コミュニティとの信頼関係を基礎としその参画を確保することが重要であることから、そのために各国のNGOとも連携して議長国である日本政府に働きかけていることなどを報告しました。


ワールド・ビジョン・ジャパンは、今年5月の伊勢志摩サミットに向け、子どもの健やかな成長を実現するために適切な議題が設定され、首脳宣言での明確な表明と確実な実施がなされるよう、政策決定者への働きかけを続けていきます。



(※1)1998年~2013年はロシアを含めたG8として開催されています。
(※2)SDGs目標17は「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」です。またSDGsのターゲット17.16では、「すべての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術および資金源を動員、共有する、マルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する」とされています。

◆2015年に開催されたドイツ エルマウ・サミットへの取り組みはこちら