お知らせ

チャイルド・ストーリー 「チャイルドの人生にもたらされた変革」

2006.06.20

チャイルド・スポンサーシップによる地域開発

-変革を可能にする開発 希望が全てを変える-


チャイルド・スポンサーシップでは、貧困で苦しんでいる子どもや家族、地域の人々が、人間としての尊厳を取り戻し、公正な社会の中で希望をもって生活できることを願い、地域に根ざした開発援助を行っています。今回は、バングラデシュの奥地で育った少年が、チャイルド・スポンサーシップを通して、夢を持つことの喜びを知り、その夢を実現した現在の様子をご紹介いたします。


【将来への希望】

スプロティックさん
スプロティックさん

スプロティック・ガグラさんは、バングラデシュの少数民族であるマンディ族(通称ガロ族)出身です。彼は子どものころ、都市から遠く離れた奥地で、不便な生活を強いられる日々を送っていました。彼の両親は、米作りのために小さな田んぼで一生懸命働いていましたが、どんなに働いても生活は楽ではありませんでした。当時、およそ10万人のガロ族の人々が、このような貧しい生活を強いられていました。そういった環境で生まれ育ったスプロティックさんは、きっと自分も大きくなったら、この地域で両親の仕事を手伝いながら暮らしていくのだろうと子どもながらに思っていたそうです。

しかし、ワールド・ビジョンがガロ族の代表者たちと協力して、その地域に住む人々、特に子どもたちへの支援を開始したことにより、彼の考えは根底から変わりました。スプロティックさんもその地域の支援チャイルドとして登録されました。「チャイルド・スポンサーシップは、バングラデシュに住む少数民族である私たちに、社会的、また、経済的な立場や権利を持てるよう指導してくれました。そしてそのことが、私やその他多くのガロ族の子どもたちに夢を持つことを教えてくれたのです」と、スプロティックさんは昔を振り返ります。

【スポンサーからの手紙】
スプロティックさんのスポンサーは、彼が5才の頃から外科の修士号を取るまでの16年間支援してくださいました。この寛大なスポンサーは、スプロティックさんへの手紙の中で、道徳や価値観など、人が生きていく上で大切なこともたくさん教えてくれたそうです。「度重なる引越しのため、今は手元に全ての手紙がありませんが、スポンサーからの手紙を私は長い間大切に持っていました」とスプロティックさんは言います。「それらの手紙は、私にとってかけがえのない宝物でした。そして、自分の目標に向かうために自分を励ましてくれるものでした」と、懐かしさを浮かべながら彼は語ってくれました。


【医師として】

子どもを診察するスプロティックさん
子どもを診察するスプロティックさん

現在36歳になったスプロティックさんは、バングラデシュの首都ダッカから北西に位置するボグラ地区にある病院に勤務しています。病院に来る子どもたちの多くは、栄養失調や下痢、呼吸器系疾患を患っています。スプロティックさんは、小児病棟の全ての子どもたちを任されています。彼は穏やかに子どもたちに話しかけ、また、時には子どもたちをなだめながら具合の悪いところを聞き診察を行います。スプロティックさんがこの病院に赴任して数カ月もすると、病院に子どもたちを連れてくる親たちの間で、とても有名な医者になっていました。それは、医師としての彼の態度が人々に評価されたために他なりません。「子どもたちはいつも無垢で私にとって大切な存在です」と、彼はうれしそうに言います。しかし同時に彼は、バングラデシュの多くの医師たちが直面している困難を話してくれました。バングラデシュでは医師と患者の比率が、1人の医師に対して1万2,000人の患者であり、質の良い医療を受けることが困難な場合があるということです。「これらの問題解決のために、少しでも私の働きが生かせるのであれば、自分の一生をかけた働きとして満足することができ、人々の役に立てるという喜びで満たされると思います」と彼は言います。

【人々の将来のために】

スプロティックさんは、いつか生まれ故郷に戻りそこで医師として働きたいと考えています。「私は自分の育った地域に貢献したいと思っています。今は、故郷を離れた病院で仕事をしているので、心が痛みます。」
しかし、彼は今働いている病院で必要な医師として治療に従事しています。少しでも時間があれば、医療関係の書物を読み、小児科医として専門性を高めようとしています。時間的余裕はありませんが、子どもたちへの愛情が彼の原動力となっています。「子どもたちは両親に与えられた最高の贈り物だと思います。心も体も健全な子どもたちによって、健康的な地域社会が築かれていくと信じています」と、彼は言います。

ワールド・ビジョンの支援によって、かつて自分の人生が変えられたように、医師となった現在、スプロティックさんは今度は自分がバングラデシュの子どもたちの将来に変化を与えられたらと願っています。彼は、「ワールド・ビジョンは、チャイルド・スポンサーシップを通して多くの子どもたちの才能を、教育を通して見出してくれました。私は、子どもたちを治療することで健康な体になってもらい、彼らが持っている可能性が十分発揮できるようお手伝いができればと願っています」と、語りました。彼は、ワールド・ビジョンが夢を実現するために支援をしてくれたことだけではなく、そのような夢を子どもの頃持つことができたことに、心から感謝しています。


チャイルド・スポンサーシップとは
ニュースレターNO146の目次へ戻る