地球あちこち~スリランカを知る旅ツアー報告
2006.06.12
《地球あちこち~スリランカを知る旅ツアー報告》
期間/2006年3月18日~3月25日
ガレンビンドゥンヌンエワとカビティゴッラワという2つの地域開発プロジェクトを視察し、チャイルドたちを訪問しました。2001年にも同地を訪ねた方々から、『道路も家もきれいになった。支援を続けてきてよかった。前回あちこちで車を止められた検問所がなく、平和になったことを実感する。』との感想をいただきました。活動を実際に見て支援の確信を深められたこと、また、チャイルドたちに多くの励ましを与えられたことを嬉しく思っています。
スリランカはインドの右下に浮かび「インド洋の宝石」とも呼ばれる島国。面積は6万5千607平方キロメートル(北海道より少し小さいくらいの大きさ)で人口は約1946万人です。
以前はコロンボが首都でしたが今はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテという町が首都です。今回は日本からコロンボへの直行便で訪問し、片道約9時間の旅路でした。
《コロンボからアヌラーダプラへ》
スリランカには、ワールド・ビジョン・ジャパンが支援している地域が2つあります。そのどちらへも行かれる「アヌラーダプラ」という町へ移動しました。アヌラーダプラはコロンボから車で北西へ5~7時間ほど走った場所にあり、2500年以上も前にスリランカ最古の都があったところです。高度な文明を持っていたようで、当時に造られた灌漑施設や上下水道で現在も使われているものがあると聞きました。また、仏教はここからスリランカ全土へ広がっていったといわれており、様々な遺跡を見ることができます。
アヌラーダプラへ向かう途中で、左の写真ような貯水池をよく目にしました。これは現地語で“ウェワ”と呼ばれるもので、人々はこの水を農業用水に使ったりここで水浴びをしたりします。今回の訪問時にはどの貯水池も比較的水が満ちていたが、時期によっては底が見えてしまうほど干上がってしまうそうです。
《小児病棟ができた病院を訪問》
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今回訪ねた病院では、今までベッドの数が足りず大人と子どもがベッドを共有していました。そのため、抵抗力がない子どもは病気に感染する危険がありましたが、チャイルド・スポンサーシップによって小児病棟や緊急治療室が作られました。この日は予防接種を受けるため、母親に連れられて大勢の子どもが来ていました。小児科の先生が、今後は外のスペースに遊具を入れたり子どものためのおもちゃなどをそろえていきたい、と言っていました。また、同じ建物の一角に歯医者さんもありました。
《農業支援》
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メイズ(トウモロコシの一種)の生産について見学させてもらいました。左側は機械を使ってメイズを脱穀している様子です。脱穀したメイズを適度に乾燥させた後、右の写真にある倉庫で保管します。今までは、できた作物を売りに行く、という方法をとっていたため、どうしても買い手の言い値になってしまう傾向にありましたが、倉庫ができたことで人々がここに買いに来るようになり、作り手主導で値段を決められるようになったそうです。参加者の中から「ネズミなどは入ってこないんですか?」という質問が出ましたが、建物の下の方に「ネズミ返し」のようなものがついているので心配ないそうです。
《住宅支援》
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この地域では、家を建て直す必要がある人のための支援も行ってきました。希望者たちの家族構成など様々な条件を吟味し、順番に作っていったそうです。今回訪問した建築中の家が、この支援で立て直す最後の家でした。左の泥壁の家がを右のレンガ作りの家になりますが、専門の人と一緒にその家の人々も作業に参加していました。
《土の器作り》
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この地域に昔から伝わる、土の器作りを見せてもらいました。ロクロを使って作るのですが、使うのは電動ロクロでも足踏み式ロクロでもありません。左の写真の右側の男の子が手で台を回し、左側の男性が形を作っていくという方式をとっていました。土を筒状に上に伸ばしていき、筒状になるように(底がない状態で)切り取ります。それを少し乾燥させ、最後に裏返して棒でたたいて丸みのある底を作っていきます(右の写真)。最近では軽くて割れにくいアルミ製の器を料理に使う人が増えていますが、スリランカの水質などから、アルミ製のものを使うと人体に悪い影響がでることが分かってきており、この伝統的な器作りの作り手を増やす活動をするとともに、人々も土の器を使うよう促しているそうです。
《平和構築活動》
スリランカの北部では民族紛争が長く続いています。カビティゴッラワはジャングルが多いため武装した人々の隠れ家になりやすく地理的にも紛争地域と近いため、平和構築も大切な活動のひとつになっています。
異なる価値観を持つ人々(タミル人とシンハラ人、ムスリムや仏教徒など)が共にスポーツをしたり活動をすることで、お互いの価値観を理解し認め合う、という役割を担っています。
写真の若者たちは、一緒に劇をすることでお互いを認め合う機会を得ています。ここには若者たちのためにカウンセリングセンターもありました。またその裏手には、地域の地主が若者のために提供してくれた図書館がありました。
《自助グループの活動》
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自助グループのメンバーである母親が、講習会で得た知識をもとに夫と息子とともに三人で営んでいるお菓子屋さんを訪問しました。訪問したときには、右の写真の液体を左の写真のように板状にし、これをさらに加工して甘いお菓子を作っていました。今後はもっと店を大きくしたい、など夢を語ってくれました。
《心臓病の子どもへの支援》
水質の影響などもあるのか、スリランカでは心臓を患う人が比較的多いようです。チャイルド・スポンサーシップの支援によって心臓病を治す手術を受けることができ、元気になった子どもたちと会いました。子どもの母親は、涙ながらにスポンサーの皆さんへの感謝を述べていました。
《参加者の声》
今回現地を訪問し、支援により心臓病の手術を受けた子どもたちと会いました。付き添う母親たちが涙ながらに手術前・回復後の子どもの様子を話すのを聞いて、私たちの支援金が生きて使われていると実感し、感動しました。また、このツアーを通して、同じ目的を持つ元気な仲間たちと旅をすることの素晴らしさも知ることができました。
ツアー中、あるスリランカ・スタッフから、「会ったこともない異国の人々のために、支援をされているのはなぜですか」と聞かれました。私は、「私の場合、毎月4,500円の支援金で子どもや家族が助けられるのであれば、国や宗教に関係なく、同じ地球上に住む人間として助けたいから支援しています」と答えました。これを聞きそのスタッフは、「私たちもそのような意識をもってがんばりたい」とおっしゃってくださいました。このように、現地スタッフと直接話しあうなど、交流を深めることができ、とても有意義なときを持つことができました。
東海林優子(埼玉県在住)
小学校を訪問したとき小学生による歓迎の人波、踊りと民族音楽、村人との交流は彼らのお祭りの中に私たちが紛れ込んだ様な気がしました。慈善の押し売り、お膳立てによる歓迎セレモニー、金を出す人、受け取る人、そんないやなイメージは全て払拭されました。現地のスタッフから「開発プロジェクトの支援基準は貧困度を優先させ、プロジェクトの内容は住民からの要望に従って、彼らの自立を資金的に援助するものだ」との説明を聞きました。例えば、彼らの住む家は低い屋根のため排煙が悪く、ワラぶき屋根と土壁は非衛生的であったが、レンガつくりの家に立て替える時、レンガと労働は自前で、彼らが買えないセメントが支給されます。
現地ワールド・ビジョンのスタッフの皆さんとの親睦。村人、ツアーの途中出会った物売りの親父、バスから見た小学生から大人まで笑顔で手を振ってくれる。この国の人は純朴なのか、人なつっこいのか。今回の旅を一言で言うなら“本当にすばらしかった。”名所、旧跡を見て写真にとって、あそこも行ったここも行ったと自慢するのも悪くはないけれど、このようなツアーは、人との出会いは心に残り、さらに他人の考えを知り、ひとの繋がりが出来ます。
多田祥夫(徳島県在住)
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