カンボジアのお母さんと子どもをどうやって救うの?

2010.02.17

多くの子どもたちが生後1カ月を生き延びることができません

栄養が十分であれば多くの子どもたちは抵抗力を持って病気に打ち勝つことができます
栄養が十分であれば多くの子どもたちは抵抗力を持って病気に打ち勝つことができます

今日も世界ではおよそ24,000人の子どもたちが5歳の誕生日を迎えることなく命を落としています。
5歳未満で亡くなる子どもたちのうち、およそ4割は生後1カ月までも生き延びることができません。
大半は、下痢や肺炎など予防・治療が可能な病気で亡くなっています。
また、全体の35%以上に栄養不良が深刻な影響を及ぼしています。

より多くの子どもたちが元気に5歳の誕生日を迎えられるようになるためには、
お母さんと赤ちゃんの命を守ることが不可欠です。

カンボジアの中でも、5歳未満で命を落とす子どもが多く住む地域で支援を行います

5歳未満乳幼児死亡要因
5歳未満乳幼児死亡要因

「Child Health Now – アクション!救えるはずの命のために」は、5歳の誕生日を迎えることなく命を落としている子どもたちを救うことを目指しています。そのためには、ワールド・ビジョン・ジャパンでは、日本の皆さまのアクションにより、企業パートナーの株式会社プレコフーズ様、ならびに、山中製菓株式会社様のご支援をいただき、カンボジアの赤ちゃんとお母さんの命を守るための支援事業を実施します。
*企業パートナー2社様には事業予算の一部のご支援いただきます。

カンボジアの国全体の5歳未満児死亡率は改善しています。しかし、今回の事業を展開するコンポンチュナン州は、1000人あたり101人(カンボジア保健省調べ)の子どもが5歳未満で命を落としており、世界で30番目に5歳未満児死亡率の高いマラウイやタンザニアと同水準となっています。そのうち、1歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもの割合が85%を超えており、赤ちゃんの命を守れるようになることで、5歳未満児死亡率の大きな改善が期待されています。

赤ちゃんとお母さんがより良いケアを受けられるようになるために

ワールド・ビジョン・ジャパンは、カンボジアのコンポンチュナン州サマキミエンチェイ郡で、新生児と妊産婦がより良いケアを受けられるようになるための支援事業を行います。事業地の人口66,000人のうち、2,200人の妊婦(2008年)、そして、9,200人の5歳未満の子どもたちが主な対象です。

保健センターの外に置かれたベッドで過ごす、生まれたばかりの赤ちゃんとお母さん
保健センターの外に置かれたベッドで過ごす、生まれたばかりの赤ちゃんとお母さん

【現地の池内スタッフから】
保健センターの施設がまだまだ足りません。妊婦がお産を待つ部屋や、出産を終えたお母さんと産まれた赤ちゃんが過ごすための部屋がなく、保健センターの外にゴザなどを敷いて過ごしています。私が病院を訪れた日の朝に出産したばかりのお母さんは幸運なほうで、寝ていたのはゴザではなくて、保健センターの外に置かれたベッドでした。出産を終えたお母さんたちも、翌日ぐらいには家に帰ってしまうそうです。

助産師やスタッフの育成も急務です。正規の訓練を受けた助産師ではなく、村のお産婆さんのような人が、木の切れ端でへその緒を切ったり、草(ハーブ)でへその緒を結んだりしているということも耳にしました。

カンボジアの保健センター
カンボジアの保健センター

【事業の内容】
① 保健センターの施設・設備の改善
事業地にある3軒の保健センターのうち、産後のお母さんが休養できる部屋があるのは1軒だけでした。2軒の保健センターでは待合室もベッドもありませんでした。そこで、妊産婦と新生児のケア向上のため、電気や水道などインフラの改善、トイレやベッド、プライバシー保護のためのカーテンなどの設置、必要な医療器具の確保を行います。

② 保健センターで働くスタッフのトレーニング
妊産婦と新生児の複雑なケアを行うための知識や能力があるスタッフは限られています。現在働いているスタッフは、一人の助産師を除いて、応急手当のトレーニングさえも受けた人はいません。また、合併症が発生した時に、より高度な医療施設へ照会・搬送(リファーラル)するための判断力やシステムも欠けています。そこで、保健センターで働くスタッフを対象に、妊産婦・新生児に対する緊急ケアなどのトレーニング、そして、リファーラル体制の強化を行います。

支援地の様子
支援地の様子

③ 妊娠中の女性やお母さんたちへの啓発活動
保健センターでのプライバシー保護への懸念、そして保健センターで出産をすると自宅にいる年長の子どもの面倒をみてもらうことができないという理由から、自宅での出産を好む女性も、いまだに数多くいます。村の伝統的な産婆さんへトレーニングを行うとともに、保健センターへの出産を勧めるよう協力を要請します。また、妊娠中の女性やその家族に妊娠中・産後の母子のケアに関するトレーニングを行います。

④ 基金の設立
多くの女性が保健センターより5キロ以上離れた場所に住んでいますが、殆どの場合、陣痛が始まってからバイクで運ばれます。保健センターでは対処できない合併症などが生じた場合、より高度な医療施設へは車で搬送しますが、車は費用が高いため、貧しい女性の多くは緊急産科ケアを受けることができません。
適切な妊産婦・新生児ケアを受けるために必要な直接・間接費用をサポートするため、住民や地域の行政機関と連携して基金の設立を進めます。