ハイチ大地震緊急支援活動を行っています
2010.03.15
ハイチ大地震 第22報(3/15up) 募金受付中
3月12日(金)で、地震発生から2カ月を迎えました。首都ポルトープランスに駐在し、緊急支援を行っている加藤奈保美スタッフからの報告です。
「発生から2カ月が過ぎた今でも、倒壊したまま放置されている建物や、がれきの山を未だに各地で目にし、それらを取り除くために多くの労力と時間を費やしています。
その一方でポルトープランスの街は、徐々に機能が回復してきたように見受けられます。オープンマーケットは賑わい、店やレストランも再開し始めており、正常化へ向けて前進している印象を受けます。キャンプ周辺にも出店が立ち並び、新たなコミュニティができ始めています。最近では、オープンインターネットカフェのようなビジネスまで見られるようになりました。街中から聞こえる音楽(地震発生後に生まれた、素晴らしい音楽も多くあります!)、人々の歌声、ダンス、子どもたちの笑顔を目の当たりにすると、
地震による生活の混乱は、だいぶ落ち着いたかのようにも感じます。
しかし、避難キャンプで支援物資配布を行う際には、被災した人々の言い争いや野次、喧嘩、不正が横行し、必ずしも物質的な意味だけでない、満たされていない人々の必要が伝わります。さまざまな混乱を避けるため、支援活動、特に食糧や物資の配布を安全に行う上で、アメリカ軍や国連PKO、ハイチ警察などとの調整が必要不可欠です。
避難キャンプは、首都ポルトープランスだけでも数百にもなると言われています。しかし、人々の移動もあり、どのキャンプも敷地に対して過密状態です。そのため、被災者の世帯数を把握しきれなかったり、支援が行き届かなかったりという問題が出てきています。さらに、キャンプがある土地の地権が、現在の大きな課題となってきています。
弱い立場におかれる子どもたち、女性、高齢者
また、支援を受けているキャンプでも、続く雨の中、水たまりの中に浸かって生活しているような所もあります。特に今後、雨季が本格化するにつれ、キャンプ内での衛生状態の悪化、感染症蔓延への懸念があります。また地方のキャンプでは、雨季にともなう道路の閉鎖も見込まれ、支援物資のロジ・搬入の困難にも直面することが見込まれます。さらに余震や地すべり、土砂災害による生活への影響も続いています。
震災前からあった、複雑な社会問題も相変わらず根深い問題となっており、今回の震災で子どもたち、女性、高齢者はいっそう弱い立場に置かれています。キャンプだけでなく、震災により生活が変化してしまったコミュニティでは、子どものケアの不足、子どもの人身売買、女性への暴力などの危険が常にともなっています。
現在、国連やNGOなどの国際機関を中心に、被災した人々への支援全体の事業調整が行われており、その枠組みのなかで、ワールド・ビジョンを始めとする各団体の活動が実施され、軌道に乗り始めています。現地NGOの主体的な参加も見られるようになってきました。また、現在の必要に対する緊急支援を実施すると同時に、復旧・復興を見据えた活動にも視点を当てており、ハイチ政府は国際機関と協力しつつ、復旧・復興へ向けたニーズ調査を進めています。
今後は、ポルトープランス以外の地域にも支援を広げていくことが必要です。震災により、親戚などを頼ってポルトープランスから地方に移住した人々も多く、今後さらにスラム化が進むことが懸念されます。働く機会の創出と、子どもたちのための学校の再建は喫緊の課題です。それと同時に、より良い社会構築のためには、震災前からあった深刻な貧困問題、社会問題にも配慮した、きちんと練られた計画が求められています。
ワールド・ビジョンでは、地震発生後の3カ月間、ポルトープランスの避難キャンプを中心に緊急支援を行っています。現在、5~10年の長期的な支援を視野に入れ、中・長期の支援活動計画を策定すべく、綿密なニーズ調査を実施しています。今後は、これまで30年以上にわたってチャイルド・スポンサーシップによる支援活動を行ってきた地域をはじめとして、全国各地に支援活動を広げていく予定です」
第20報 発生から6週間 チャイルド・フレンドリー・スペースに集まる子どもたちの声 2010.2.24
地震発生から6週間。ワールド・ビジョンは、ポルトープランスにある7つの避難キャンプで、チャイルド・フレンドリー・スペース(以下CFS)を運営しています。CFSでは、平日の9時半から正午まで、子どもたちの年齢別に様々な活動が行われています。
ジョセフィンちゃん(6歳)は、避難キャンプの1つ、パークアクラに設置されたCFSの活動に参加しています。「お絵かきと、本を読むこと、何かを書くことが一番好き。今日は、歯をみがいて、髪の毛をきれいにして、手を洗わなきゃいけないって教わったの」
地震発生前、ジョセフィンちゃんは幼稚園に通い、今年は小学生になるはずでした。しかし、彼女が入学予定だった小学校は地震により大きなダメージを受け、再開はいつになるか分かりません。
母親のエリザベスさんは語ります。
「避難キャンプのなかにCFSがあることは、とても大きな意味があります。以前は、子どもたちはすることもなく、ただゴミやほこりの中を走り回っていました。活動では、子どもたちは頭を使うことができますから、教わったことを忘れないでしょう。それに、ジョセフィンがここにいることが分かれば、私は自分の用事をすることができます。ジョセフィンには、ここに来て、学び続けてほしいと思っています。
地震によって、私の孫は頭を打ち、いとこは足を負傷しました。私たちは丘に住んでいましたが、他の家が倒壊した時に私たちの家も大きく破損してしまいました。怖くて、そこに住むことはできません」
地震発生当日のことを、ジョセフィンちゃんは語ります。
「地震の時、何が起こっているのか分からなかった。何かが足の上に落ちて、ケガをしたの。でも今はもう大丈夫。足は痛まないわ。家にいると、また何かが落ちて来ると思うから、このキャンプにいる方がいい。CFSに来るのは好き。友だちが2人できて、一緒に遊んだり、おままごとをしたりするの」
ジョセフィンちゃんの一番仲が良かった友だちは、地震によって亡くなってしまいました。しかし、エリザベスさんはそのことをまだジョセフィンちゃんに伝えることができません。彼女が混乱してしまうことを、恐れているからです。
「ジョセフィンは、彼女と一緒に小学生になるはずでした。彼女たちはとても仲が良かったので、私は彼女の死を娘に伝えることができません。もう少ししたら、話そうと思うのですが…」エリザベスさんは語りました。
「僕の家は、全部つぶれちゃった」-デイビット君(9歳)
「CFSには、絵を描きに来るんだ。今日は家を描いたけど、これは僕の家じゃないよ。僕の家は、地震でぜんぶ崩れちゃったから。僕の描いた家には、ダイニングルームと寝室、階段があるんだ。いつかこんな家に住みたいなあ。今は避難キャンプのテントで暮らしてるけど、家の方がいい。夜は地面で寝てるけど、固くてよく眠れないんだ」
地震が起きた時は、学校が終わって、いとこの家で遊んでた。地震が起きた時は怖かった。仕事に行っていたお母さんは、きっと死んじゃったと思った。いとこの家は6階にあって、地震が起こると、まず5階に行って叔母さんを捜した。僕は階段の一番上に立っていたけど、いとこが“外へ逃げろ、外へ逃げろ”って叫ぶのが聞こえた」
デイビット君たちは、建物が倒壊する前に外へ逃げました。建物は完全には倒壊しませんでしたが、地階が崩れ、安全に住むことはできません。
「外に逃げた僕たちは、車のなかでお母さんが帰って来るのを待った。お兄ちゃんやお姉ちゃんたちが来て、お母さんは無事だと教えてくれた。それを知った時、とても嬉しかった」
デイビット君は末っ子で、兄と姉が2人ずついます。幸運なことに、家族のなかで地震により負傷した人は誰もいませんでした。
「家には行けない。僕はここのキャンプで、叔母さんと一緒に暮らしてるんだ。お母さんは仕事に行ってる。仕事では、掃除や洗濯をしてる。お兄ちゃんとお姉ちゃんたちは、おばあちゃんと一緒に暮らすために田舎に行っちゃった。お母さんは、僕にここにいてほしかったんだ。僕もお母さんと一緒にいる方がいいけど、やっぱりお兄ちゃんたちがいなくて寂しいな」
CFSで働く、アレキサンドレスタッフは語ります。
「今日は80人の子どもたちが、CFSでの活動に参加しました。私たちは子どもたちの年齢にあわせて、ダンス、歌、お話、体操など、いろいろな内容を用意しています。CFSがあることで、学校がない間も子どもたちが放っておかれることはありません。
ここでの活動はまだ始まったばかりですが、子どもたちは確かに学んでいると確信しています。子どもたちには手洗いの方法など、避難キャンプで暮らしていくなかで清潔、健康を保つためにはどうすればいいか教えています。今朝は歯磨きについて学び、お絵描きのセッションを持ちました。スタッフは、子どもの権利や心理などについて、ワールド・ビジョンからトレーニングを受けました。私はこのCFSで働くようになって2週間になりますが、子どもたちと一緒に活動することは、とっても楽しいです」
第19報 発生から1カ月以上 坂スタッフからの報告 2010.02.19
1月17日(日)にポルトープランスに入り、緊急支援とニーズ調査を行っていた坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)が2月12日(金)に帰国しました。被災現場の状況と今後のワールド・ビジョンの活動について報告です。
「1カ月経って支援は少しずつ行き渡るようになってきたものの、地震で持ち物のほとんどすべてを失ってしまった多くの人たちは、いまだに劣悪な環境の中で生活を強いられています。運がよく、家の倒壊を免れた人たちも、夜は余震の恐怖から、危険を承知の上、屋外で寝ざるを得ない状態が続いています。実際、被災状況の調査で訪れた家族も、近所の人たちと身を寄せ合って眠れない夜を一緒にすごしていると教えてくれました。
現在、ワールド・ビジョン・ジャパンではテントの配布を行い、家をなくした人たちが、ハリケーンの季節がやってくる前に雨露をしのぎ、安心して眠りにつけるよう、急ピッチで支援を行っています。
ハイチはもともと中南米で最貧国の1つ。多くの人々が貧困の中で生活をしてきました。
今回の地震は、そういったもともと脆弱な人たちに更なる困難を強いています。
現在ワールド・ビジョンでは、上のようにテントや食糧、水衛生の支援を行っています。また、地震によるショックをうけてしまった多くの子どもたちのために「チャイルド・フレンドリー・スペース」を設置し、遊戯などを通じて子どもたちが心身とともに回復できるよう支援を行っています。
ただ、ハイチの人々が元の生活を取り戻すまでには緊急の支援だけでは十分ではありません。これから年単位での復旧・復興が始まります。ワールド・ビジョンでは中長期的な視点に立った支援計画に基づいた支援を行っていきます」
第18報 発生から1カ月 ポルトープランス加藤スタッフからの報告 2010.2.12
発生から1カ月。被災地では、現在も懸命な緊急支援が続けられています。9日(火)にポルトープランスに入り、緊急支援を行っている加藤奈保美スタッフ(海外事業部緊急人道支援課)より報告です。
「ドミニカ共和国から空路でハイチに入りました。空港ではハイチ人スタッフがテキパキと働き、国連機関やNGO、メディアの送迎がずらりと並んでいました。空港そばに位置する避難キャンプも、外から見る限りは整然とした印象で、地震発生当初度々メディアで報じられていた混乱した状況に比べると、状況はだいぶ安定してきたようにも見えます。
一方で、空港からワールド・ビジョン・ハイチ事務所へ向かう車窓からの街並みは、崩れたコンクリート造の家々や、そのがれきが未だに残っており、そこから見える鉄筋などから建物の脆さがよく分かります。貧困が被災規模を大きくするということを実感しました。
街では倒壊した建物のがれきを片付ける人、修理する人、つまった排水溝を掘り返している人をよく見ます。また、道なかで野菜や日用品を売る人々も多く見ます。私は震災前の状況を知らないため、簡単に比較することはできませんが、このような光景から少しずつ戻りつつある人々の“日常”を垣間見ることができます。
一方で、人々が声高に言い合いをしている姿も目にします。今日出くわしたのは、避難キャンプの地権者が、その土地にテントを張ることは許可するけれど、簡易住居を建てることは認めないという、土地の問題での言い争いでした。また、今週はじめから時折降雨があるようで、避難キャンプでも屋根として使っているビニールシートを張り直す方々や、ワールド・ビジョンスタッフに雨による影響を訴える方々もおり、人々の不安が伝わる思いがしました。
まだ多くの支援が必要です
実際の避難キャンプのようすや、国連の報告等からも、まだまだ多くの支援が必要であることは明らかです。地震発生後、国連機関や人道支援団体が実施した調査等に基づき、少なくともポルトープランス近郊については、少しずつ団体間の調整ができ、支援を網羅する動きが整い始めているように見えますが、ロジ面での困難が多く、予定された場所にも食糧・物資の支援が迅速に行き渡っておらず、配布・配給時には混乱が起きないよう、注意が必要です。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、これまで被災現場で実施してきたニーズ調査で、水や食糧と同様に支援の必要が高かった住まいを提供していきます。
国連の推計によると、住居が損壊し避難キャンプなどで生活する被災者は110万人にものぼります。ハイチではもうじき本格的な雨季、そしてハリケーンの季節を迎えようとしています。降雨にともない、衛生状態・感染症の問題が深刻化する懸念があります。簡易住居の提供も急がれますが、当面は防水シートの屋根、また人々がシーツやカーテン等を合わせたような現在の仮住まいではなく、しっかりと雨露をしのぎ、住居を築くまでの期間を安心して過ごせるよう、家族用テントを提供していく予定です」
第17報 悲しみに立ち向かうために 2/10up
発生から4週間。ハイチ政府の発表によると死者が23万人に達するなか、ワールド・ビジョンは緊急支援を行っているポルトープランスの3地域で、地震による被災者150人に聴き取り調査を実施しました。その結果、40%以上の人々が地震によって家族を失い、うち14%の人々が複数の家族を失ったと答えました。
チャイルド・プロテクション(子どもの人権保護)専門家であるシアン・プラットスタッフは語ります。
「ハイチは今、国全体が喪に服しているかのようです。人々は家や仕事、持てる財産の全てを失っただけでなく、愛する人を失った悲しみに立ち向かわなければならないのです。
人々が嘆き悲しむ理由はそれぞれですが、ハイチを再建していく上で、家族としての幸福感はとても大切です。子どもたちも大人も、日常生活を取り戻すことができればより早く悲しみが癒される、という研究もあります。安全で安心できる家、いつもの食事、きれいな水、意味のある活動や仕事の全てが、街を再建していくために必要です。
緊急時の支援活動や、国の復興・再建活動に関わる決定が行われる際は、一般の人々の声が反映されなければなりません。人々自身の声と主体性は、人々一人ひとりが回復していく上でも、国家全体が回復していく上でも、極めて重要なのです」
緊急支援のなかでワールド・ビジョンは、このような混沌とした環境にあって、子どもたちが正常な、日常の感覚を取り戻せるよう、ポルトープランスにチャイルド・フレンドリー・スペースを設置しました。
「両親や保護者のいない子どもたちは、特に危険にさらされています。彼らには保護と、悲しみを癒すための機会が必要です。大人と同じように、子どもたちも悲しみを癒す方法はそれぞれ違います。新しい友人をつくり、一緒に遊ぶことは、子どもたちが生活を安定させ、感情を処理していくためにとても効果的な方法です。
悲しいことに、自分の両親が生きているのか、もしくは死んでしまったのか、まだ分からない子どもたちがいます。ワールド・ビジョンはユニセフ(国連児童基金)と協働で子どもたちの家族の行方を捜し、再会できるよう、ハイチ国内の広い範囲で活動していきます」
シンディアちゃん(8歳)は地震によって両親を亡くし、現在は近所の人と一緒に暮らしています。地震発生当日のことを、シンディアちゃんは語ります。
「地震が起きて、私の家はつぶれちゃった。お母さんとお父さんは家の中にいたから、死んじゃったの。毎日泣いてるし、眠れないの。お母さんのことばかり考えてるの」
被災者とともに活動することが不可欠
ウィルトンさんも、地震によって夫と家を失いました。涙を流しながら、地震発生当日のことを振り返ります。
「あの日、夫と私は家で料理をしていました。私が家の外に出て来客を迎えたちょうどその時、地震が起こったのです。大きな衝撃の後に振り返って見ると、家は丸ごとつぶれていました。私は“ジョン、ジョン、ジョン、どこにいるの?”と叫びましたが、夫はがれきの下敷きになり、死んでしまったことを悟りました。一瞬一瞬の、夫との歴史が心に蘇ってきました。私は全てを失ってしまいました」
また、高血圧や不眠を訴える被災者もいます。被災しているエルダさん(45歳)もその1人で、「地震は、私たちに深い衝撃を与えました。私たちは、まだ地震の夢を見ます。しばしば心臓の鼓動が早くなりますし、頭痛もします」と語ります。
ワールド・ビジョンは人道支援団体や国際社会に対して、人々が悲しみを癒すための道筋を、より良く再構築していく支援に焦点を置くことを求めます。そのためには、家族とコミュニティのネットワークの再建を支援すると同時に、社会構造を回復し、日常の感覚を取り戻し、地域社会の働きと仕組みを回復するために、被災者である人々とともに活動していくことが必要です。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、1月17日(日)よりポルトープランスで緊急支援とニーズ調査を行っていた坂賢二郎スタッフに代わり、2月6日(土)より加藤奈保美スタッフ(海外事業部緊急人道支援課)を派遣し、緊急支援を行うとともに、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
WFPのパートナーとして、大規模な食糧配給を実施 2/4up
ワールド・ビジョンは今週、WFP(国連世界食糧計画)のパートナーとして、7つの人道支援団体との連携のもと、大規模な食糧配給を実施する予定です。これはハイチ政府の支援を受けて行われるもので、ポルトープランスだけでなく、これまでほとんど支援が届いていない地域に暮らす被災者およそ160万人に、食糧を届けられる見込みです。
2週間の配給期間中、ワールド・ビジョン単体としては1日(月)にポルトープランスのデルマとナゾンで、1万7,000人の被災者に84トンの米を配給します。加えて3日(水)、治安が悪いシテ・ソレイユの2カ所でも配給も計画しています。食糧配給は毎日、計4カ所で行い、およそ40万人の被災者に食糧を届ける予定です。
ポルトープランスにおけるワールド・ビジョンの緊急支援ディレクター、ジーン・クラウド・ムカディスタッフは、「シテ・ソレイユで食糧配給を行うためには、人口密度の高さや治安の問題から、より時間をかけて準備しなければなりません。しかし、人々の安全と、最も食糧を必要としている人々に確実に届けられることが確認でき次第、すぐにシテ・ソレイユでの配給を行いたいと思います」と語ります。
そのため、ワールド・ビジョンは地域のリーダーたちに登録クーポンを配布し、最も弱い立場に置かれ、食糧を必要としている家族を識別しています。
安全性の確保が最優先
安全性を確保するため、ワールド・ビジョンスタッフは事前調査だけでなく、それぞれの配給が適切な場所・規模で行われることを確実にします。また、国連安定化部隊と米国海兵隊の協力も得ます。そして、食糧配給を行うなかで人々の尊厳を守るために、人権保護団体やワールド・ビジョンのチャイルド・プロテクション(子どもの人権保護)専門家が配給に加わります。この数日間で、100名以上のスタッフが人道保護とセキュリティの訓練を受けました。
ムカディスタッフは語ります。「スタッフは、確実に被災者の人々が尊厳を持って扱われ、そして最も弱い立場に置かれた人々に、支援を最優先に行き渡らせることに注力しています。私たちはまた新しい方法で、人々に必要な情報を届け、どんな支援を必要としているかを確認しています」
ワールド・ビジョンはクレオール語のラジオ番組や、SMSテキストメッセージの配信、そして地域のリーダーやモビライザーたちに直接働きかけることを通じて、子どもたちの人権を守り、食糧配給についての正しい情報を広めるようにしています。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)をポルトープランスに派遣し、緊急支援と被災現場のニーズ調査を行うとともに、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
ハイチ大地震 第14報 保護者のいない・保護者と離別した子どもたちについて 2/1up
背景 / ワールド・ビジョンのアプローチ / 勧告 / ワールド・ビジョンの活動
背景
現在ハイチには、保護者や養育者と離別した18歳以下の子どもたちが、数万人存在します。そのうち数千人の子どもたちは、2010年1月12日(火)に発生した地震によって離別してしまいましたが、ハイチでは地震発生以前から、50万人以上の子どもたちが家族と離れ、路上や孤児院、または一般の家庭で家事使用人(ハイチクレオール語で“restaveks”)として暮らしていました。
今、ハイチでは、保護者と離別した子どもたちは路上や一時的な避難キャンプで暮らしたり、支援を求めて子どもたちだけで地方へ移動したり、支援物資配布の列に並んだりしています。震災による危機的な状況と極度の貧困に加えて、保護者や家族から離別してしまうことによって、子どもたちは基本的なニーズを満たせないだけでなく、病気や事故、性的虐待、性的搾取、人身売買にあう危険が増します。
ワールド・ビジョンの活動
ワールド・ビジョンは子どもたちへの医療支援、食糧や水の配布などの緊急支援を行いながら、子どもたち(保護者と離別した子どもを含む)を支援し、保護していく上で必要な一連の方策と取組方法を強化しています。
保護者と離別した子どもたちへの支援に対して、関係者と協調し、被災現場のニーズに基づいて、ワールド・ビジョンは現在以下の4分野に重点を置いています。
①離別の予防
子どもたちは、支援物資配布の際の混乱に不遇にも、あるいは養子縁組を通じて、家族と離別してしまう可能性があります。また、家族が子どもたちを保護施設に置いて行ってしまう場合もあります。そのためワールド・ビジョンは、子どもたちの安全が確保された中での緊急支援物資の安全な配布、また、コミュニティに拠点を置いた支援やケア制度の提供が促進されることを確実にしています。また、ワールド・ビジョンが支援した子どもたちをすぐに把握できるように、家族やコミュニティを支援しています。
②保護者と離別した子どもたちを見つけ、家族の行方を捜し、再会できるように支援する
被災現場で活動しているワールド・ビジョンスタッフは全員、保護者と離別した、もしくは孤児となってしまった子どもたちを把握し、できるだけ早く子どもたちが必要としている基本的な支援を届けることができるよう、訓練を受けています。またワールド・ビジョンは、それが子どもたちの最善の利益である場合は、離別した家族の行方を捜し、再び一緒に暮らすことができるよう努力していきます。その際には、安全かつ迅速な再会を進めるために確立された登録フォームやデーターベースを使い、他団体と協力して活動していきます。
③適切なケアの体制を整える
家族の行方を捜している間も、保護者と離別した子どもたちが拡大家族などによって一時的なケアを受けることができるよう、ワールド・ビジョンはパートナーとともに支援します。それが難しい場合は、子どもと同じコミュニティに住む信頼できる家族などに、一時的なケアを依頼します。ワールド・ビジョンは、子どもたちの世話ができる大人から引き離し、施設などに入れてしまうことを支持しません。コミュニティのなかで、家族が子どもの必要を満たすことができるよう支援していくことが、短期的にも長期的にも、子どもにとって最善の利益と考えます。
国際的な養子縁組は、地域や親戚を通じて、子どもたちが生まれ育ったコミュニティのなかでケアができるよう、あらゆる努力がなされた後の、最後の方法として検討されるべきです。ワールド・ビジョンは、現時点でハイチにおいて行われている全ての新たな養子縁組が、一時的に停止されることを求めます。
④子どもたちが安全に遊び、眠ることができる場所の確保
ワールド・ビジョンは現在、子どもたちに身体的・心理的ケアを提供する場所である、CFSの設置を進めています。CFSは、子どもたちが安心して遊べる場所を提供するだけでなく、震災による悲しみが癒されるよう、支援していく場所です。あわせて食糧、水、医療などの支援も行っていきます。
ワールド・ビジョンは、避難キャンプで暮らす子どもたちの状況を調査し、彼らが十分に保護され、安全が確保された生活を送るためにはどうするべきかを決定します。また、子どもたちが安全に眠ることができる場所を確保できるように、地域の教会、地方政府、他団体などと協力していきます。
ワールド・ビジョンのアプローチ / 勧告
ハイチ大地震 第14報 1/29up! 俳優ヒュー・ジャックマンさんからメッセージが届きました
ハイチ大地震 第13報 1/27up! 発生から2週間 ポルトープランス 坂スタッフからの報告
「発生から2週間、私がハイチに来てから10日が経ちました。
あっという間の日々でした。
治安を含め、街は一見平静を取り戻したかのようにも見えます。食糧や水、生活物資などの配布活動を中心に、支援は少しずつですが被災者の方々に届けられ始めています。しかし、配布の際などには大変な混雑が発生するなど、人々に十分支援が行き渡っているとは、正直まだまだ言い難い状況が続いています。
震災前と比べ、マーケットでの食料価格が多くの品目で倍になるなど、震災の影響は市民生活のいたるところ、特にもともと貧しい人々の肩に、重くのしかかっています。
また、震災のために親や家族を亡くした子どもたち、生き別れてしまった子どもたちが、人身売買などの危険にさらされかねない状況が発生しています。
今回の大地震は、その被災規模から言ってもハイチにとっては未曾有のもので、豊かな人、貧しい人、政府や国連関係者、そしてワールド・ビジョンスタッフを含む支援関係者といった、あらゆる人々が何らかの形で被害を受けています。ただしその中でも、やはり上述の貧しい人、子どもや女性、負傷した人など弱い立場に置かれた人々が、最もその影響を受けています。そのような人々、特に子どもたちに目を向けた支援を行っていくことが必要です。
ワールド・ビジョンはこれまで、主に食糧、水、生活用品、医療品、防水シート等の緊急支援物資の配布を行ってきました。また震災後、ハイチ国境に近いドミニカ共和国ジミニでクリニックを運営し、ハイチから避難してきた負傷者の治療や、子どもたちの保護などを行っています。今回の大地震は、ハイチという国全体に壊滅的な被害をもたらしたため、非常に多岐にわたる支援を行わなければなりません。
今後は、これまでも行ってきた食糧や生活用品の配布などに加え、被災者の方々が当座の生活を営めるようテントの配布、水・保健衛生の支援、精神的に大きなショックを受けた子どもたちが、通常の生活を取り戻していくためのチャイルド・フレンドリー・スペースの設置などを通じて、子どもたちを支援していきます。
また、例えば親を亡くしてしまった子どもたちを、国際的な養子縁組などによってすぐに生まれ育った環境から引き離してしまうことをせず、親戚などより身近な環境で子どもたちが成長できるよう、子どもに関わる問題を社会に発信し、より良い子どもの将来を探る努力をするための、アドボカシーを行っていきます。
ワールド・ビジョン・ハイチのスタッフをはじめ、現地の支援関係者自身も、家族や財産を失うなど非常に辛い状況にありながら、それ以上に大変な状況に置かれた人々、子どもたちのために、昼夜を問わず働いています。
これから時間が経つにつれ、ハイチ大地震についての報道を目にする機会は少なくなってしまう可能性もありますが、本当の支援はこれからです。ハイチの人々が本当の意味で立ち直っていくためには、年単位の時間、支援が必要です」
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
ハイチ大地震 第12報 1/26 up! ドミニカ共和国ジミニで、チャイルド・フレンドリー・スペースを開設
ワールド・ビジョンは、ハイチから多くの被災者が避難して来ているドミニカ共和国ジミニの2つの病院に、チャイルド・フレンドリー・スペース(以下CFS)を開設しました。CFSは、震災によって心身ともに大きな傷を負った子どもたちが安心して遊び、被災の心理的トラウマを和らげるだけでなく、親や家族とはぐれてしまった子どもたちを保護するための場所です。
自然災害後の混乱した状況下では、子どもたち、特に親や保護者と離れ離れになってしまった子どもたちは、必要な支援が受けられないばかりか、虐待や搾取などの更なる被害にあう危険が高まります。特に、子どもたちだけでドミニカ共和国との国境へ移動する動きがあり、注意が必要です。ワールド・ビジョンのチャイルド・プロテクション(子どもの人権保護)専門家である、ニコール・ベヘナムスタッフは語ります。
最も弱い立場に置かれた子どもたち
「このような自然災害が起こると、子どもたちは最も弱い立場に置かれます。特に、家族と離れ離れになってしまった子どもたちの安全確保は、最も重要な課題です。極度の貧困により、ハイチでは地震発生以前から子どもたちが搾取や、虐待にあう危険が高かったのですが、震災後、家族と離れた状況下ではその危険は更に増してしまいます。現在子どもたちが最も必要としているのは、食糧や水などの基本的な物資、最低限の医療、保護、そして離れ離れになった家族との再会です」
ワールド・ビジョンは、今回のような自然災害や紛争、搾取によって子どもたちの生命が危険にさらされている地域において、CFSによる支援を行ってきました。CFSはワールド・ビジョンのスタッフだけでなく、訓練を受けたボランティア・スタッフによって運営されます。食糧、医療、専門家による心理的サポートを行うとともに、ゲーム、お絵かき、歌など、子どもたちが楽しめる様々なアクティビティを行います。それによって、子どもたちが心に受けた傷を癒し、通常の生活に戻る手助けをするのです。
ワールド・ビジョンは、家族と離れ離れになってしまった子どもたちへの支援を最優先に置き、引き続き緊急支援を行っていきます。
またワールド・ビジョン・ジャパンでは、坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)をポルトープランスに派遣し、緊急支援と被災現場のニーズ調査を行うとともに、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
第11報 1/25 「建物の中に入るのが怖い」 避難キャンプで暮らす、ファビオラちゃんの声
8歳のファビオラちゃんは、ポルトープランスのペンションビレにあるサッカー場に設置された、避難キャンプで暮らしています。夜になると、1枚の古くて薄いカーペットを敷いて寝ますが、地面の固さと冷たさは変わりません。
数日前まで、彼女の家族は薄く、ところどころ破れたベッドシーツ数枚しか持っていませんでした。それを木材に結び合わせて広げ、即席のテントを作っていましたが、日よけにはなるものの雨が降ると何の役にも立ちませんでした。
ファビオラちゃんは、「雨が降ると、全部の物がびしょぬれになっちゃうの」と言います。
しかもその“テント”では、3家族15人の人々が一緒に暮らしていたため、とても十分なスペースはありませんでした。
「ご飯を食べる場所も、寝る場所もないの。狭すぎて、何もできなかったわ」
それでも、ファビオラちゃんは自分の家に帰ることができませんでした。地震によって大きなダメージをうけた家は、いつ倒壊してしまうか分からないからです。ファビオラちゃんは言います。
「怖いから、家には帰りたくない。今は、建物の中に入るのが怖い」
ワールド・ビジョンは、ファビオラちゃんの家族を含む被災者の人々が、避難キャンプでの生活で感じる苦痛を少しでも軽減するため、防水シート、調理器具、衛生キットを支援しました。その中でも、ファビオラちゃんは「防水シートが1番嬉しい」と言います。
以前は即席テントが無秩序に乱立していた避難キャンプでしたが、今は整然と防水シートが張られています。
「これで雨が降っても、雨漏りしないわ」。ファビオラちゃんは笑顔を見せました。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)をポルトープランスに派遣し、緊急支援と被災現場のニーズ調査を行うとともに、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。
避難キャンプのようすを映像でご覧ください
第10報 1/23日up! ポルトープランス坂スタッフからの報告
17日(日)にポルトープランスに入り、緊急支援とニーズ調査を行っている坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)より、被災現場の状況について報告です。
「実感する限りでは、街の治安は“不安定ながらも落ち着いている”という状況です。しかし避難キャンプなどで調査を行っていると、避難生活の疲れからくるものなのでしょうか、被災者の方々の対応も次第に深刻さを増してきています。避難キャンプは、空き地や公園などに設置されているだけなので、特に衛生施設があるわけではありません。山のように積まれているゴミを見るのもしばしばです。幸い現在は乾季なので、今のところ大規模な病気の感染などは起きていませんが、疥癬やアレルギーを訴える子どもたちにも、実際に会っています。
このような状況のなかでは、まず衛生に対する支援が非常に重要な柱の1つとなります。また、食糧は被災者の方々にとっても大きな関心事です。そのため、配布が行われる際には混乱も起きやすいので、実際に配布を行う際には細心の注意が必要です。ワールド・ビジョンでは食糧配布の際、警備をつけて不必要な争いが起きないようにしています。あわせて、精神的にも大きなショックを受けた子どもたちのために、社会的心理ケアなどの特別な支援が必要です」
ワールド・ビジョンではこれまで行った調査をもとに、今後90日間は特に避難シェルターの設置、食糧、保健衛生、医療、子どもたちの保護、食糧以外の支援物資配布などに重点を置いて、緊急支援を行っていきます。
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募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
第9報 1/22日up! 発生から10日 ポルトープランス坂スタッフからの報告
発生から10日。被災地では、現在も懸命な緊急支援が行われています。
17日(日)にポルトープランスに入り、緊急支援と被災現場のニーズ調査を行っている坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)からの報告です。
「20~21日、被災者の方々が避難生活を送るキャンプへ調査に行きました。キャンプといっても、公園、広場、運動場などのオープンスペースにとりあえず避難している、といった状態です。住まいもテントやしっかりとしたシェルターなどでなく、木のポールを支柱にしてベッドシーツやビニールシートなどをはりつけているだけの仮住まいです。そのため、プライバシーもほとんどありません。
狭いスペースに多くの人々が集中しており、また排泄物や生活のなかから出るゴミなどにより、衛生環境も良くないので、病気が流行れば感染も早いであろうと想像できます。また、避難キャンプでは幼い子どもたちの姿も多く見られました。
今回の震災は、政府を含めた多くの人々が被災せざるを得ないことからも、被災規模の大きさが分かります。事実、現地で働いているワールド・ビジョン・ハイチのスタッフ自身も、地震発生当初は支援活動に戻れる状況ではありませんでした。
また、港や空港が大きなダメージを受けたことから、ロジ面でも課題が多くあり、支援が思うように進んでいない部分があります。
ただ、今日(21日)港の機能の一部が回復したようなので、支援物資の供給も今後大きく増えてくることが見込まれます。
地震発生から10日が経ち、本格的な支援はまだ緒についたばかりですが、ワールド・ビジョンとしても引き続き全力をあげて支援していきたいと思っています」
ワールド・ビジョン・ジャパンでは「ハイチ地震緊急援助募金」を受け付けています。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
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第8報 1/21日up! 20日(水)マグニチュード5.9の余震が発生
現地時間の20日(水)午前6時頃、ハイチでマグニチュード5.9の余震が発生しました。発生時のようすを、ポルトープランスで緊急支援を行っている、ワールド・ビジョン米国のジェイムス・アディススタッフがお伝えします。
「午前6時頃強い揺れを感じ、私はベッドを飛び起きて建物の外に飛び出しました。揺れは6~7秒続いたと思います。私は6時半にこの原稿を書いていますが、心臓はまだ激しく鼓動しています。こんなに大きな余震は初めてでした。
ここポルトープランスの人々が、この地震によってどれだけの恐怖を感じたか、想像することもできません。私は、昨日ワールド・ビジョンが医療品を支援している病院で出会った、1人の男性を思いました。彼はロナルドさんという名前で、負傷して包帯でグルグル巻きにされた息子を抱きかかえながら、彼らはもっと重傷を負い、病院で治療を受けている娘に会いに来たのでした。倒壊した教会の下敷きになり、2日後に救出されたその娘は、病院のベッドに寝かされていましたが、体にまかれた包帯は血まみれでした。
父親のロナルドさんは、地震で家が倒壊してから彼の妻、8歳の息子と路上で暮らし、路上にプレスチックの布を敷いて寝ているそうです。前日の朝、食糧と水を買うために、彼は最後のお金を使ってしまいました。彼に会ったのは午後3時頃でしたが、その日彼らは何も食べていませんでした」
ワールド・ビジョンでは、世界各国から集まった40名ほどの緊急人道支援専門スタッフ、またワールド・ビジョン・ハイチのスタッフが、懸命な緊急支援を続けています。
日本事務局からは、坂スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)をポルトープランスに派遣し、緊急支援と被災地域のニーズ調査を行うとともに、「ハイチ地震緊急援助募金」を受け付けています。
一瞬にして全てを失った子どもたち、人々のために、皆さまのご協力をお願いいたします。
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第7報 1/20日up! 発生から1週間 厳しい状況が続いています
発生から1週間。国連によると、これまでに約70,000人の死亡が確認されました。死者は100,000人を超えると推測されており、家を失うなどの影響を受けた人々は300万人にのぼります。
ポルトープランスでは、家を失った人々は243カ所に点在し、多くの被災者がゴナーブ島を含む他地域に移動しました。食糧の値段は高騰し、緊急支援物資の配布は続けられていますが、安全な避難シェルター、水、食糧、医療品、医療スタッフなどは全く足りていない状況です。特に、治安と衛生状態の悪化が最大の問題です。強盗や略奪が増加するなか、何万人もの被災者がトイレを含む基本的な衛生設備がない環境で避難しており、街は臭気に包まれています。
また、ポルトープランスの空港だけでなく、サント・ドミンゴからポルトープランスへ続く陸路も非常に混雑しており、通常なら5~8時間の道のりが、現在状況によっては約18時間かかっています。
ワールド・ビジョンがハイチ国境に近いドミニカ共和国ジミニで運営するクリニックには、35床に対して300人の負傷者が殺到し、部屋や医療品が不足するなか、懸命な手当てが行われています。そのうちの多くは、家族から離れ離れになってしまった子どもたちでした。また、重傷者はヘリコプターでサント・ドミンゴに輸送するとともに、避難シェルターを設置し、食糧、水、医療品などの配布を行っています。
さらに、ドバイ、パナマ、ドイツ、カナダ、デンバーの備蓄倉庫から、防水シート、水、シャベル、衛生キット、毛布、蚊帳などの緊急支援物資を空輸する予定です。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、坂スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)を被災現場に派遣し、緊急支援と被災地域のニーズ調査を行うとともに、「ハイチ地震緊急援助募金」を受け付けています。
一瞬にして全てを失った子どもたち、人々のために、皆さまのご協力をお願いいたします。
ハイチ大地震第6報 1/19日up! 坂賢二郎スタッフ 被災現場からの報告
ポルトープランスで緊急援助とニーズ調査を行っている、ワールド・ビジョン・ジャパン坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)より、報告が届きました。
「17日(日)夕方、被災地のポルトープランスに到着しました。地震から1週間近くが経ちましたが、いまだに人命救助活動が行われているところもあり、本格的な緊急支援はまだまだこれからの印象です。特に被害の大きかった街の中心部は、爆撃にあったかのような有様です。かろうじて倒壊を免れた家に住む人も、地震の恐怖から建物の外で不安な夜を過ごしています。住む場所を失った人々は、公園などで仮の生活を始めざるを得ない状態です。今は乾季なのがせめてもの救いですが、昼間は30度にのぼる気候のなか、厳しい環境で生活を続けなければなりません。特に体力的にも弱い子どもたちにとって、野外での生活は決して安全ではありません」
坂スタッフは2月3日(水)までポルトープランスに滞在します。
空港の混乱、燃料不足など多くの問題があるなか、ワールド・ビジョンは懸命な緊急支援を続けています。
特に、親や保護者から離れ離れになってしまった子どもたちへの支援を最優先とし、17日(日)には150人の孤児たちに対して医療品、食糧、水などを配布しました。また、21日(木)にはチャイルド・プロテクション(子どもの人権保護)の専門スタッフがポルトープランスに到着し、国連機関や他NGOとの連携のもと、子どもたちを親と再会させるためのプログラムや、子どもたちが被災の心理的トラウマを和らげることができる場所、“チャイルド・フレンドリー・スペース”の運営を開始する予定です。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
ハイチ大地震 第5報 1/18日up! 坂賢二郎スタッフがポルトープランスに到着
ワールド・ビジョン・ジャパンの坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)が現地時間の17日(日)、ポルトープランスに到着しました。約40名のワールド・ビジョンスタッフと緊急援助を行うとともに、被災現場でのニーズ調査を始めています。
また、ワールド・ビジョンの緊急人道支援チームは、ポルトープランスとハイチ国境に近いドミニカ共和国ジミニに活動拠点を設け、11の病院とヘルスセンターに医療品を届けたほか、衣料、衛生キット、食糧、水などの緊急支援物資を約2,000人の被災者に配布しました。
現場入りしているワールド・ビジョン・カナダのデイブ・トイセン事務局長は、「1人でも多くの被災者に支援を届けるために、全力で活動していますが、とても全ての被災者に行き届きません。負傷者への応急手当も行っていますが、十分な治療を受けられなければ、多くの人々が命を落としてしまうでしょう。まさに時間との戦いです」とコメント。また、食糧や水などの不足にともない、治安の悪化も懸念されます。
ワールド・ビジョンはデンバー、パナマ、トロントの備蓄倉庫から追加の支援物資を空輸するとともに、国際NGOエアーサーブインターナショナルとの連携のもと、ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴから1日2回、支援物資や人の輸送を行います。
また、親や保護者を失った多くの子どもたちが、支援を求めて子どもたちだけでポルトープランスから移動している姿が目撃されています。もともと多くの孤児が存在していたハイチに、新たにどれだけの孤児が生まれたか、定かではありません。ワールド・ビジョンでは、親や保護者を失った子どもたちに対して、食糧や水、栄養剤などを配布しました。なかには、2日間飲まず食わずだった子どもや、栄養不良の症状が見られる子どもも確認されました。1日も早く子どもたちが安心できる場所を確保し、心理的・身体的なケアを受けることができるよう、支援していきます。
ハイチ大地震 第4報 1/16日up 本日坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課)がハイチに出発
ワールド・ビジョン・ジャパンの坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)が本日(16日)、被災現場ハイチへ向けて出発します。ドミニカ共和国より陸路でポルトープランスに入り、被災地域のニーズ調査と緊急援助を行う予定です。
そして被災地では、すでに現場入りしているワールド・ビジョンの緊急人道支援チームと、ワールド・ビジョン・ハイチのスタッフにより、懸命な緊急援助が行われています。
ポルトープランスとハイチ国境に近いドミニカ共和国ジミニに配布拠点を設け、13日(水)から現在までに、11の病院とヘルスセンターに医療品を、500人に毛布を、300人に水を、140家族に衛生キットとキッチンセットを配布しました。
また、コロラド州デンバーの備蓄倉庫より更なる緊急支援物資50トンを空輸し、現地時間の16日(土)に被災地に届ける予定です。
しかし、インフラの壊滅的な被害により、被災地には十分な支援物資が届けられていません。
ポルトープランスで緊急援助を行っているワールド・ビジョンスタッフは、被災地のようすを「道路には多くの遺体のそばで、負傷者や被災した人々が横たわっています。人々に絶望感が広まり、商店やスーパーマーケットの略奪が増えています。ワールド・ビジョン・ハイチのスタッフ自身も、状況は良くありません。多くのスタッフが家を失い、家族が負傷、または命を落としました」と語っています。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。一瞬にして全てを奪われた人々のために、皆さまのご協力をお願いいたします。
ハイチ大地震 第3報 1/15日up! 募金受付中
地震発生時、ポルトープランスに滞在していたワールド・ビジョン・カナダのウィルフレッド・メッガースタッフより、報告が届きました。
【1月12日(火)】
「地震がおさまると、崩れ落ちたがれきの粉塵が舞い、人々の泣き叫ぶ声が空を覆いました。
そして私が泊まっていたホテルは、あっという間に一時的な病院になりました。応急処置の経験がある人々が“医者”になり、ベッドシーツを裂いて包帯に、プールにあった椅子を担架に、幅木を折って添え木にしました。夜になって暗くなると、私たちは車のヘッドライトを使って病院を続けました。
11時頃まで、次々と負傷者が押し寄せてきました。学校から帰宅途中に地震にあい、がれきの下敷きになっていたところを救助された少女、足首を骨折し、足が外側に向いてしまった少年…。激痛のため、泣き叫ぶ声が響いていました。そして、小さな揺れを感じるたびに、歩ける人々は先を争って道路に飛び出します。道路は、救援を求める人々や、負傷者のうめき声で溢れていました。
私は、夜明けとともに救助隊が来ることを願っていましたが、やって来たのは更なる負傷者の波でした。さらに多くのベッドシーツを包帯に、家具を添え木にしました。私たちのベッドシーツと、私たちの心そのものが、救助隊の代わりとなったのです」
【1月13日(水)】
「水曜日も、負傷者の波は1日中続きました。道路にはテントが建ち並び、負傷者のうめき声が響き、幼い子どもたちが横たわっていました。小さなベッドシーツだけでは、この状況をどうにもすることができませんでした。
また空では、1日中多くのヘリコプターが飛び回っていました。ホテル前の小さな通りが緊急の空輸ポイントとなり、死の危険にさらされている負傷者が搬送されていきました。ベッドシーツの包帯によって、彼らの命はなんとかここまで保たれたのです。残された親たちが私たちのシャツをつかみました。私たちしか、包帯を持っている者は、彼らに希望を与えられる者はいなかったのです。
夜になると、余震は昨夜よりも強くなってきました。夜中の2時頃、人々は空き地に集まりました。余震のたびに、恐怖で叫ぶ声や、幼い子どもたちが暗闇で泣き叫ぶ声が聞こえました。このような状況では、親たちはどうやって子どもたちを守ればいいのか、分かるはずがありません。子どもたちのために、何とか日常を取り戻そうとしても、かつての家は崩れてがれきとなってしまったのです。余震のたびに、倒壊した建物がさらに崩れ、更なる負傷者が生まれ、不安が増しました。最後に安心して夜を過ごしたのは、いつだったのでしょう?いつになったら、また安心してベッドで眠ることができるのでしょう?
新しい負傷者は、夜明けまでヘリコプターを待たなければなりません。親たちは、子どもたちの負傷が命に関わるものではなくても、ヘリコプターに乗れる程度のものであるようにと祈っています。深刻な負傷が、治療を受ける唯一の切符であるというのは、信じられないことです。同時に、骨折した男性、右目がはれ上がった幼い男の子、背中じゅうに傷を負い、頭に大けがをした少女たちは、“重傷ではない”と判断されました。
通常ならば、このような負傷者を見たら人々の心は張り裂けるでしょう。しかしここでは、人々は
“彼らは生きている”と安心するのです。ベッドシーツの包帯以上のものを望んでいた親たちは失望するでしょうが、少なくとも包帯は遺体を包んではいないのです。
恐らく、夜が明ければもう少し状況が見えてくるでしょう。太陽が出ている間は、まだ希望を持っていられるのです」
ハイチ大地震 第2報 1/15日up! 15名のスタッフを派遣し、緊急援助活動を行っています
12日(火)に発生したハイチ大地震に対応して、ワールド・ビジョンは15名の緊急人道支援チームをポルトープランスに派遣し、ハイチ国境に近いドミニカ共和国ジミニに備蓄倉庫を設け、避難用テント、浄水剤、食糧、医療品などの緊急支援物資を配布しています。また、更なる緊急支援物資をコロラド州デンバーとパナマの備蓄倉庫より空輸し、15日(金)にポルトープランスに届ける予定です。
また少しずつ、被災状況が明らかになりつつあります。被災地で緊急援助を行っているワールド・ビジョン・ハイチのマガリー・ボイヤースタッフは、「街は、まるで戦争が起こったかのような状況です。被災した人々は行く所がなく、ただ道を放浪したり、空き地に集まって避難したりしています」と、被災地の状況を語っています。ワールド・ビジョン・ハイチのスタッフは、自身の家族や家を失った者もいるなか、懸命な活動を行っています。
そして、特に子どもたちへの影響が深刻です。多くの子どもたちが身体的な傷を負い、物資や安心できる場所の不足によって苦しんでいるだけでなく、平日の夕方に地震が発生したことから、両親や保護者から離れ離れになっています。このような子どもたちは、更なる被害にあう危険が高まります。
ワールド・ビジョンは、常に子どもたちを最優先に緊急援助を行っていきます。緊急支援物資を届けるだけでなく、家族とはぐれてしまった子どもたちが安心できる場所を確保し、必要な身体的・心理的なケアを受けることができるよう、支援していきます。同時に被災した人々が1日も早く日常生活を取り戻すことができるよう、長期にわたる復興支援も視野に入れながら、活動しています。
日本事務局からは、坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)を16日(土)に被災地に派遣し、緊急援助を行います。あわせて、「ハイチ大地震緊急援助募金」を受け付けています。皆さまのご協力をお願いいたします。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
ハイチ大地震 第一報 募金受付開始
1月12日(火)16:53に発生した大地震により、震源地に近いハイチ首都ポルトープランスでは甚大な被害が広がっています。医療機関、大統領府、国連本部をふくむ多くの建物が倒壊し、数千人の人々が瓦礫の下敷きになっていると推測されます。中南米の最貧国であり、国民の80%が貧困のなかで暮らすハイチにとって、地震がもたらす影響は計り知れません。
ワールド・ビジョン・ハイチのフランク・ウィリアム事務局長は、「地震は35秒ほど続き、街中から悲鳴が聞こえました。多くの建物が崩れ、道にはがれきが散乱しているため、交通が遮断されています。地震発生後、多くの人々はなすすべもなく、道に座りこんでいます」と、被災地域の状況を話しています。
30年以上にわたってハイチでの活動を行っているワールド・ビジョンでは、この事態に対応して緊急人道支援の専門チームを派遣し、応急手当キット、石けん、毛布、衣類、水などの緊急物資支援の配布を行っていきます。また、日本事務所より坂賢二郎スタッフ(海外事業部緊急人道支援課課長)を15日(金)に派遣し、被災地域のニーズ調査を行う予定です。
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
ハイチでマグニチュード7.0の地震が発生
1月12日(火)17時頃、ハイチでマグニチュード7.0の地震が発生しました。震源地に近い首都ポルトーフランスでは多くの建物が崩壊し、被災規模はまだ明らかになっていません。
ワールド・ビジョンは、31年にわたってハイチでの活動を行っています。
ワールド・ビジョン・ハイチのフランク・ウィリアム事務局長は、「地震は35秒ほど続き、街中から悲鳴が聞こえました。多くの建物が崩れ、道にはがれきが散乱しているため、交通が遮断されています。地震発生後、多くの人々はなすすべもなく、道に座りこんでいます」と、被災地の状況を話しています。
ワールド・ビジョンはすでに被災地に緊急人道支援チームを派遣し、被害状況の調査を行っています。
またワールド・ビジョン・ジャパンとして募金の受付を実施するかどうかは、現在検討中です。

