8月WVカフェ開催報告

2010.08.31

会場の様子
会場の様子

8月26日(木)、今年8回目となるワールド・ビジョン・カフェを開催。当日は、夏休み中ということもあり、小さな赤ちゃんや小学生を含め、72名の方々が来場してくださいました。また今回も、Ustreamによる生中継を実施、出席の都合がつかなくなってしまった方などが視聴してくださいました。

今回のテーマは、フィリピン。ワールド・ビジョン・ジャパンではフィリピンの3地域においてチャイルド・スポンサーシップの支援をしています。18年にわたる支援活動をこの9月に終えるショアラインII地域開発プロジェクト(以下ADP)と、これから支援活動の始まるサマールADP・レイテADPについて、海外事業部開発援助事業課の高橋スタッフが報告しました。

ショアラインIIADPのリーダーたち
ショアラインIIADPのリーダーたち

1992年にチャイルド・スポンサーシップによる支援が始まったショアラインIIADPは、経済開発・教育・保健衛生・水資源・指導者育成・環境整備について活動を行いました。高橋スタッフは、10年前にも一時的にこの支援地を担当し、現地スタッフと一緒に支援活動を進めました。
「500世帯の人が自宅で水にアクセスできるようにする事業で、会計の報告や書類が沢山あり、締め切りなど、現地スタッフと苦労したことを覚えています。再び担当になって、現地で完成した水道タンクを実際に見ることができ、水汲みに行かなくてもよいことで子どもたちが勉強をできたり、衛生状態の良い水にアクセスできている姿を見ることができてとても嬉しかったです。」
また、このADPの特徴は各々の活動がワールド・ビジョンが撤退した後も持続可能となるように、当初の段階から人々を組織し、指導者を育成し、自立を計画していたことです。

住民組織のリーダーであるレミー・バクリアーンさんからの感謝のビデオレター

「18年間、住民組織の中に係わらせていただいたことは私や私の家族にも幸いなことでした。9人の子どもを学校へ通わせるため、当時私は魚を売り、洗濯屋で働く普通の母親でした。不法居住地域に住み、誰をどう傷つけても気にせず、お酒やカードゲーム中毒となっていました。
最初は、子どもがスポンサーチャイルドになってワールド・ビジョンの支援を受けるようにになりましたが、何かもらえることには興味があっても、活動に参加したくありませんでした。しかし、スタッフの忍耐により、次第に私も多くの活動に参加し、生活が変化しました。心にやわらかい部分ができて、楽しいと感じるようになりました。今では2期目の住民組織の会長を務め、ワールド・ビジョン・フィリピンの理事にもなり、才能を使っていただきました。私に起きたことは値段のつけようがありません。
私は人々をより良く変革するための道具としてこれから用いられたいです。」

チャイルド・スポンサーシップによる支援を受けたトレセマール君のビデオレターより一部抜粋

「皆さんこんにちは。僕は小学校5年生の時に支援チャイルドになり現在15才です。ワールド・ビジョンの平和構築セミナーに3回参加しました。どんな小さな問題でも暴力なしに解決に導いていく方法を学びました。自分の回りの人々への言葉遣いにも気をつけています。家族の中でも学校のグループリーダーとしても平和をつくっていけるように努力しています。また村で子どものリーダーとしても平和構築のことを伝えています。このようなセミナーは僕たちの人への接し方、そして自分のあり方を良いものに変えるもので、参加できたことにとても感謝しています。」

これから支援活動が始まるチャイルド・スポンサーシップ地域開発プロジェクト(ADP)

サマールADP内の子どもたち
サマールADP内の子どもたち

一方、チャイルド・スポンサーシップの支援活動が今後始まるサマールADP・レイテADPでは、今後どのような支援をすべきなのか、5年計画が終わった段階です。住民の代表や政府自治体の人々、専門分野の方々を巻き込み、教育・農業・保健・経済分野に関して問題の分析と解決方法の分析、子どもの支援のあり方などを70人あまりが1週間にわたり議論をし、計画を作成しました。
例えば、教育分野では、“低い就学率”を、その原因(例:児童労働・食糧の不足・保護者の教育に関する意識の低さ)と、低くなった結果、どのようなことが起こるのか(例:基本的な教育の欠如・低い自尊心など)をチャートにして分析をしました(右下写真)。

教育支援問題分析図
教育支援問題分析図

サマールADPは低い雇用状況・低い農業生産量、技術の不足などが問題です。加えて家屋の状況も整っておらず、調査した4,881世帯のうち、約70%が修復を必要とし、特に192家屋で大規模な修復が必要とされています。地域の子どもたちの4人に1人は栄養不良で、特にたんぱく質の不足、隠れた飢餓と呼ばれる微量栄養素欠乏でした。このほかにも、住民の約60%が衛生的なトイレを持っていないことが分かっています。
レイテADPはもともと危険な海岸に不法に住んでいた人々が移住してきた場所で、教育、経済、保健衛生などが課題です。

「支援地域はアクセスが悪く、モーターボートで約2時間かかる場所もあり、そこで学校に通っていない子どもたちと出会って、スタッフは泣いてしまいました。両親が働いていないので、子どもたちが働かねばならないことや、アクセスの悪さから、学校の教師が定着せず、毎日授業をしに来ないという現状を聞いたからです。“フィリピンにもまだこんな場所があったのか”とショックを受けていました。ショアラインIIADPが人と人とのつながりから様々な成果を生むことができたように、新たにこのADPでも支援が始まります。今後ともよろしくお願いします。」高橋スタッフは語りました。

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します

● フィリピンは観光客が多く発展しているイメージだったが、地方では苦しい人たちがいることに驚きました。
● 総合的な支援がその地域全体の活性につながることがわかったが、一方子ども1人支援していくことの意味も考えさせられた。
● 自分たちの活動だけではなく、政府や他団体と連携していてお金に頼っていないことが良く分かった。
● すさんだ生活をしていた女性が地域のリーダーとして周りを引っぱって貢献していきたいという気持ちを持つような変化をされたという話を聞き、ワールド・ビジョン・ジャパンは人間にとって本当の豊かさを得られるような支援をおくっていらっしゃるんだなぁと思いました。

参加くださった皆さま、ありがとうございました!
次回のカフェは、9月21日(火)11:00~開催予定です。詳細は決定次第、ホームページ上でお知らせいたします。