3月24日(水)ワールド・ビジョン・カフェ開催報告

2010.04.08

カフェのようす
カフェのようす

3月24日(水)、ワールド・ビジョン・カフェを開催。当日は88名の方々がご参加くださいました。今回のテーマは、ウズベキスタン。
ウズベキスタンでは歴史的・社会的な背景から、障がい児・者に対する差別と偏見が強く残っています。そのため、障がい児のほとんどは例え軽度の障がいであっても、養護施設に送られるか、家に閉じ込められたままで生活をしています。

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、海外事業部開発援助事業課の田中スタッフが2008年5月から2010年3月にかけて首都タシュケントに駐在し、障がい児・者が自己実現できる地域社会を目指し、活動を実施。カフェ当日は田中スタッフが、2年間にわたる活動の成果をご報告しました。

政府職員とマハラのリーダーたちとの勉強会を持っている田中スタッフ(右)
政府職員とマハラのリーダーたちとの勉強会を持っている田中スタッフ(右)

「ウズベキスタンの障がい児たちは、社会の未整備、貧困、差別、偏見、知識不足、補助器具の不足など、様々な要因によって、社会から遠ざかり、自己実現が妨げられています。ワールド・ビジョンでは地域社会に働きかけることで、このような要因を取り除き、障がいのあるなしに関わらず、全ての子どもたちが参加し、自己実現できる社会の実現を目指しました」

活動では、政府レベルや地域のリーダーたちと勉強会を実施するとともに、日本の自治会に相当する“マハラ”という伝統的な自治組織を通じた、CBR(Community Based Rehabilitation-地域に根ざしたリハビリテーション)プログラムの実践に取り組みました。

市場で買い物をしている障がいを持っている青年
市場で買い物をしている障がいを持っている青年

「まず、中心となってプログラムを運営するコミュニティ・モビライザーを、障がい当事者または障がい児・者の家族に限定して選出し、研修を実施しました。そして、モビライザーたちが地域の家を一軒一軒訪ね、隠された障がい児がいないか探し、見つけた場合は家族に私たちの活動への参加をすすめました」

“障がい児には何もできない”と思いこんでいる家族の意識を変えることは難しいことでしたが、モビライザーたちが根気よく家を訪ね、信頼関係を築くことによって、少しずつ理解を得ていきました。その結果、活動期間中に253名の障がい児・者を見つけ出すことができました。

障がい者エンパワーメントの勉強会のようす
障がい者エンパワーメントの勉強会のようす

「私たちは定期的に障がい児の家を訪ね、家族の相談にのり、情報やアドバイスを提供し続けました。例えば、寝たきりだった障がい児を、毎日少しずつでも座らせるようにアドバイスしました。お母さんはアドバイスを忠実に守り、半年後には、彼は自分で座ってスープを飲めるにまでになりました。本来持っている能力を引き出すことができ、本人も家族も、本当に喜んでいました」

各マハラでは障がい児がいつでも自由に使えるスペースを設置し、様々なレクリエーションや、市場での買い物などの社会経験や、社会人としての権利が主張できるための啓発活動も行いました。障がいのため、孤立している子どもや家族が外に出るだけでなく、友だちをつくり、障がいに対する正しい知識を学ぶことができます。また、障がい当事者のエンパワメントのために、日本から障がい者運動のリーダーを招き、勉強会を実施しました。障がい当事者自身が支援を受ける立場から、自分たちの権利を主張し、社会を変えていく存在になることを目指しています。

活動終了時、CBRに参加した障がい児61名にアンケートを実施した結果、8割が活動を通して「自分に対する自信が増えた」「新しいことにチャレンジしたい」「夢が増えた」と答えました。

最後に田中スタッフは、活動を通して出会った障がい児たちを紹介しながら、語りました。「障がいがあっても、一人一人が大切ないのちであり、大切な存在です。障がい児にも、その家族にも、そして地域の人にも、大切な役割があることを学びながら、これからも地域の人々を中心に、活動を継続してほしいと思っています」

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します。

・ 私自身の今までの生き方を改めようと感じた。人に優しくできるということは何よりも価値があると思います。理屈では分かっていたが、活動の話を聞くことで消化できました。ありがとうございました。
・ 子どもたちの希望を育てることの大人としての責任の重さをあらためて感じました。
・ スライドもわかりやすくなっていてよかったと思います。もう少しふみ込んで、うまくいかない部分も紹介していただきたかったです。
・ 希望も可能性もないと他から思われ、自分でもそう思っていた障がい者、児の人たちが、自らの力で障壁を壊していく様子が感動的でした。自らの可能性を限定し、極少化してしまうことは、障がいを持たない人間でもありがちで、私もそうです。今日のお話で自分の可能性を信じてみる勇気を頂きました。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
次回のワールド・ビジョン・カフェは、4月23日(金)に六本木ヒルズで開催します。詳細はこちらをご覧ください。