ハイチ大地震 第22報
2010.03.15
3月12日(金)で、地震発生から2カ月を迎えました。首都ポルトープランスに駐在し、緊急支援を行っている加藤奈保美スタッフからの報告です。
「発生から2カ月が過ぎた今でも、倒壊したまま放置されている建物や、がれきの山を未だに各地で目にし、それらを取り除くために多くの労力と時間を費やしています。
その一方でポルトープランスの街は、徐々に機能が回復してきたように見受けられます。オープンマーケットは賑わい、店やレストランも再開し始めており、復興へ向けて前進している印象を受けます。避難民キャンプ周辺にも出店が立ち並び、新たなコミュニティができ始めています。最近では、オープンインターネットカフェのようなビジネスまで見られるようになりました。街中から聞こえる音楽(地震発生後に生まれた、素晴らしい音楽も多くあります!)、人々の歌声、ダンス、子どもたちの笑顔を目の当たりにすると、
地震による生活の混乱は、だいぶ落ち着いたかのようにも感じます。
しかし、避難民キャンプで支援物資配布を行う際には、被災した人々の言い争いや野次、喧嘩が横行し、必ずしも物質的な意味だけでない、満たされていない人々の必要が伝わります。さまざまな混乱を避けるため、支援活動、特に食糧や物資の配布を安全に行う上で、アメリカ軍や国連PKO、ハイチ警察などとの調整が必要不可欠です。
避難民キャンプは、首都ポルトープランスだけでも数百にもなると言われています。しかし、人々の移動もあり、どのキャンプも敷地に対して過密状態です。そのため、被災者の世帯数を把握しきれなかったり、支援が行き届かなかったりという問題が出てきています。さらに、キャンプがある土地の地権が、現在の大きな課題となってきています。
弱い立場におかれる子どもたち、女性、高齢者
また、支援を受けているキャンプでも、続く雨の中、水たまりの中に浸かって生活しているような所もあります。特に今後、雨季が本格化するにつれ、キャンプ内での衛生状態の悪化、感染症蔓延への懸念があります。また地方のキャンプでは、雨季にともなう道路の閉鎖も見込まれ、支援物資のロジ・搬入の困難にも直面することが見込まれます。さらに余震や地すべり、土砂災害による生活への影響も続いています。
震災前からあった、複雑な社会問題も相変わらず根深い問題となっており、今回の震災で子どもたち、女性、高齢者はいっそう弱い立場に置かれています。キャンプだけでなく、震災により生活が変化してしまったコミュニティでは、子どものケアの不足、子どもの人身売買、女性への暴力などの危険が常にともなっています。
現在、国連やNGOなどの国際機関を中心に、被災した人々への支援全体の事業調整が行われており、その枠組みのなかで、ワールド・ビジョンを始めとする各団体の活動が実施され、軌道に乗り始めています。現地NGOの主体的な参加も見られるようになってきました。また、現在の必要に対する緊急支援を実施すると同時に、ハイチ政府は国際機関と協力しつつ、復旧・復興へ向けたニーズ調査を進めています。
復興、より良い社会構築のために
今後は、ポルトープランス以外の地域にも支援を広げていくことが必要です。震災により、親戚などを頼ってポルトープランスから地方に移住した人々も多く、今後さらにスラム化が進むことが懸念されます。働く機会の創出と、子どもたちのための学校の再建は喫緊の課題です。それと同時に、より良い社会構築のためには、震災前からあった深刻な貧困問題、社会問題にも配慮した、きちんと練られた計画が求められています。
ワールド・ビジョンでは、地震発生後の3カ月間、ポルトープランスの避難キャンプを中心に緊急支援を行っています。現在、5~10年の長期的な支援を視野に入れ、中・長期の支援活動計画を策定すべく、綿密なニーズ調査を実施しています。今後は、これまでチャイルド・スポンサーシップによる支援活動を行ってきた地域をはじめとして、全国各地に支援活動を広げていく予定です」
募金のご協力をありがとうございました。募金受付は終了させていただきました。
「被災から1年」の報告はこちら(2011.1.12更新)
【まとまった報告を読むにはこちら】
★加藤スタッフのブログはこちら

