11月20日は世界子どもの日:院内セミナー開催報告
2009.11.20
11月20日は「子どもの権利条約」が国連総会で採択されてから20周年にあたります。
11月17日、ワールド・ビジョン・カナダのスタッフを講師の1人として迎え、「子どもの権利条約の個人通報制度」をテーマに主に国会議員の方々を対象としたセミナーを開催しました。
国連子どもの権利委員会に個人が申し立てできる制度を作ろう!キャンペーン
今回のセミナーは「国連子どもの権利委員会に個人が申し立てできる制度を作ろう!キャンペーン」の一環として開催されました。子どもの権利条約に個人通報制度を備えるために、3番目の選択議定書を作ろうというこのキャンペーンは、現在世界で約600のNGOが参加し、日本国内ではワールド・ビジョン・ジャパンを含む23団体のネットワークにより進められています。
個人通報制度とは、個人の人権に関わる問題が国内で適切な措置がされなかった場合に、直接国際機関へ訴えることができる制度です。具体的には、国連人権委員会への申し立てにより、審査を受け、必要なアクションを自国の政府に対して勧告してもらうことができます。現在9つの国連人権委員会のうち、子どもの権利委員会を除く8つには個人通報制度が備えられています。その一方で、子どもの権利委員会には、これまで政府報告書に対する審査制度はありましたが、個人通報制度はありませんでした。
今年の6月、国連人権理事会において子どもの権利委員会に対する個人通報制度の設置を検討するための作業部会を設置するという決議案が採択され、機運が高まっています。
海外より2人の講師を招聘し、国会議員の方々を含め約60名が参加
ヤンギー・リー教授
2007年より国連子どもの権利委員会委員長を務め、また、韓国ユニセフ協会、セーブ・ザ・チルドレン韓国など様々な学会や協会の理事、会員としても活躍中
サラ・オースティン
ワールド・ビジョン・カナダ総裁室長。2005年に本キャンペーンを立ち上げた。グローバルなキャンペーンの共同主宰者としてNGOグループを取りまとめるとともに、国連や各国政府への働きかけなどで活躍。
当日は、福島みずほ大臣、大河原雅子議員、小宮山洋子議員をはじめ7名の国会議員の方々を含め約60名が参加。福島みずほ大臣からは「既に個人通報制度を設けている条約の選択議定書の批准とならび、子どもの権利条約の個人通報制度創設にむけて、関係大臣とも協議しながら積極的に取り組んでいきたい」という力強い言葉をいただきました。
子どもの権利条約と個人通報制度: 講演のポイント
ヤンギー・リー教授
スピーチ冒頭で、3日後に20周年を迎える「子どもの権利条約」の意義について触れました。子どもの権利委員会に対する個人通報制度の経緯や、その中での子どもの権利委員会の役割について、特にリー教授自身の委員長就任後の進展を中心に説明しました。そして、日本政府に対し、12月に開催が予定されている作業部会へ積極的に参加し、来年3月の国連人権理事会において、個人通報制度の設置を提案する決議の共同提案国となり指導力を発揮するよう期待を述べました。
サラ・オースティン
子どもの権利条約は世界で最も締約国が多い一方、その実現に向けては課題が多く、その点で個人通報制度の意義が大きい事を指摘しました。自身による立ち上げの経緯を含めてキャンペーンの概要を説明した後、政府報告書の審査制度とは別に個人通報制度が必要な理由として、①子どもの権利条約に定められている子どもが意見を表明できる権利の保障、②子どもの権利保障の平等性の確保(子どもの権利条約でのみ定められている子ども特有の権利を含む)、③人権条約の履行に向けた国家の責任の強化、という3点を挙げました。特に、EU諸国やアメリカ地域のように地域内での個人通報制度を持たないアジアにおいて、その意義は大きいことを強調しました。
日本でのキャンペーンにおよそ30名もの国会議員が賛同していることに感謝を表した上で、日本政府としての個人通報制度への公式な賛同の表明と、今後のプロセスでの日本政府の強い指導力発揮へ向けて期待を述べました。
閉会にあたり、挨拶に立ったワールド・ビジョン・ジャパン片山事務局長は、「NGOも頑張っています。議員の皆さまもよろしくお願いします!」と協力を呼びかけました。
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