3月30日(月)ワールド・ビジョン・カフェ開催報告

2009.04.02

カフェ当日のようす
カフェ当日のようす

3月30日(月)、今年2回目のワールド・ビジョン・カフェを開催しました。当日は小さなお子さまを含む、65名の方々がご参加くださいました。

今回のテーマは、ウズベキスタン共和国。歴史的な背景から障がいに対する差別・偏見が根強く残っており、障がい児たちの多くはたとえ軽度の障がいであっても、自宅に閉じ込められてしまうか、劣悪な環境の養護施設に収容され、社会との接点を持てないまま生活しています。

マハラのリーダーとミーティングを行う田中スタッフ
マハラのリーダーとミーティングを行う田中スタッフ

ワールド・ビジョン・ジャパンでは2008年5月から2010年3月にかけて、JICA(国際協力機構)との連携により障がい児・者が自己実現できる地域社会を目指し、活動を行っています。カフェ当日は、ウズベキスタンより一時帰国中の田中スタッフが、これまでの活動について報告しました。

「ウズベキスタンに行って最初に強く感じたことは、統計には出てこない、地域に隠されている障がい児・者の多さです。全ての子どもたちにとって当たり前のことも経験できず、生きる意味さえ見失ってしまった障がい児たちに多く出会いました。彼らは身体の障がい以上に差別や偏見、貧困といった社会的な障壁に苦しめられています。ワールド・ビジョンでは活動を通して、社会にある障壁を地域の人々と一緒に取り除いていくことによって、障がい児・者の権利が守られ、社会参加できる地域の実現を目指しています」

ミーティングを行うコミュニティ・モビライザーのメンバー
ミーティングを行うコミュニティ・モビライザーのメンバー

活動ではまず、ウズベキスタンの伝統的な自治組織であり、タシケント市内に約400あるマハラのうち5つを選出。そしてその5地域の住民のなかから、中心となって活動を行っていくコミュニティ・モビライザー6人を選出しました。うち4人は障がい当事者、2人は障がい児の母親です。

「コミュニティ・モビライザーの選出後、まず地域の家庭を訪問し、隠されている障がい児・者の発掘、活動への参加を呼びかけるとともに、彼らがどんな支援を最も必要としているのかを調査しました。その結果分かったことは、障がい児・者自身のエンパワーメントが全くされていない、ということです。彼らの多くが、自分たちの意見を述べたことも、家から出たことすらありませんでした」

スポーツ・フェスティバルを開催しました
スポーツ・フェスティバルを開催しました

この結果を受けて、日本から作業療法士や障がい者運動の専門家を招き、ピア・カウンセリングやロールプレイを通して、障がい児・者が自分の意見を伝え、社会性を身につけていくためのトレーニングを実施しました。またマハラに開設した拠点が障がい児・者の居場所となり、その家族の情報交換の場所となるよう、定期的に開放し、様々なアクティビティを行っています。

「“障害=できない”というイメージが強く残っていますが、障がいを持っていても、少しのサポートがあればできることは多くあります。活動では、例えば買い物の練習などを通して公共の場に出て行くことによって、障がい児たちの能力を高めるだけでなく、地域の人々と積極的に出会うことで、地域の意識改革にもつなげていきたいと思っています」

マハラで楽しく時間を過ごす障がい児たち
マハラで楽しく時間を過ごす障がい児たち

今後は、ワールド・ビジョン撤退後も活動を継続していけるよう、コミュニティ・モビライザーの研修を強化するとともに、政府職員や地域リーダーへの啓発活動を行い、彼らを通した地域社会への働きかけを行っていく予定です。

「歴史的に長く根付いた差別・偏見を取り除くことは、簡単ではありません。活動のなかでもなかなか進展が見られず、くじけそうになる時もあります。しかし、障がい児たちの笑顔や、彼らに生まれた小さな変化が、私のモチベーションです。障がいを児たちが社会に参加し、楽しく過ごせることが当たり前になる社会を目指して、引き続き活動していきたいと思います」と田中スタッフは語りました。

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します。

・ 短期間の活動でも、障がい者自身や家族に明らかな変化があったということで、嬉しく思いました。しかし、社会全体を変えていくにはもっと時間を要するかと思います。今後の継続的な活動に期待します。
・ 田中スタッフの率直な言葉が胸を打ちました。有意義な質問も多く、勉強になりました。
・ 基本的な活動内容の説明から入って、具体的な現況に入ってほしい。
・ スタッフの話だけでなく、同じ気持ちを持った参加者の方々の意見を聞けて、すごくためになりました。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

★ ウズベキスタンの障がい児たちを支援する「危機にある子どもたち支援募金」はこちら
★ 田中スタッフのブログはこちら
★ ウズベキスタンを訪問した木内スタッフのブログはこちら