5月31日(土)ワールド・ビジョン・カフェ開催報告

2008.06.02

カフェ当日のようす
カフェ当日のようす

5月31日(土)、特別ゲストとしてワールド・ビジョン・アフリカ地域アドボカシー・ディレクターのスーザン・グミサイ・ムバヤ氏を迎え、今年5回目のワールド・ビジョン・カフェを開催しました。当日はあいにくの雨にも関わらず、計150名の方々がご参加くださいました。

日本ではまだあまりなじみのない言葉、「アドボカシー」。国際協力の分野では、貧困や紛争などの構造的、根本的な原因が取り除かれるように、その構造を作り出している人々に市民の人々の声を届け、働きかけていくことを意味します。

ワールド・ビジョンの支援を通して、息子をHIVの母子感染から守ることができた、ウガンダのアリス(28歳)。
ワールド・ビジョンの支援を通して、息子をHIVの母子感染から守ることができた、ウガンダのアリス(28歳)。

例えば、近年大きな問題となっているHIV/エイズ。HIV陽性の子どもたちの90%が母子感染によって感染していますが、これらの子どもたちのうち必要な治療薬を手に入れられるのは、7人に1人にすぎません。

ワールド・ビジョンでは子どもたちをHIV感染から守るために、チャイルド・スポンサーシップによる支援地域でHIV検査ができる体制づくり、HIV感染者の治療・ケアを行っています。
しかし同時に、子どもたちをとりまく環境、世界の枠組みを変えていくための活動を行っていかなければ、根本的な解決にはつながりません。
国家・地域レベルでは、各国政府の保健政策のなかでHIV対策が重要な位置を占め、必要な医療スタッフが地方に配置されなければなりません。
国際レベルでは、G8サミットで結ばれた援助増額の公約が守られるだけでなく、特に子どもたちのニーズが取り上げられる必要があります。

カフェ当日はワールド・ビジョン・ジャパンのアドボカシー担当、谷村スタッフがアドボカシーの概要を説明した後、質問形式でスーザン氏が子どもたちに対する思い、アドボカシー活動を通して目指すものを語りました。

先進国では当たり前に受けられる医療サービスを受けられず、命を落とす子どもたちも多くいます
先進国では当たり前に受けられる医療サービスを受けられず、命を落とす子どもたちも多くいます

大学卒業後土地改革コンサルタントとして働いていたスーザン氏は、ある日ジンバブエの貧困地域を訪れました。
「その地域では病気が蔓延していましたが、病院まで40キロも離れた所にあり、誰も医療を受けることができていませんでした。私はそこで病気に苦しむ子どもと知り合い、『医者を連れて戻って来る』と約束し、2週間後、私はあらゆる分野の医師を19人連れて地域に戻りましたが、その子どもは2日前に息を引き取っていました。この経験は、私たちが支援を届けないことによって、毎日何千人もの子どもたちが命を落としているという事実を、私の心に刻みつけました。そして国家が正しい政策を行うことで、多くの子どもたちを救うことができると気づいたのです」

ジンバブエの12才の子どもが描いた絵。「安全、学校、病院、それに水があるはず。病気、貧困、飢えはないはず」
ジンバブエの12才の子どもが描いた絵。「安全、学校、病院、それに水があるはず。病気、貧困、飢えはないはず」

その後ワールド・ビジョンに入団し、アフリカ政策の提言や啓発を担当。今回の来日では、横浜で開催されたTICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)の本会議に出席。日本政府やアフリカ各国の首脳陣に、アフリカの市民の人々の声を届けるために、積極的な働きかけを行いました。

「私は『アドボカシー』とは、政策決定の権限を持つ人々が、その政策が貧しい人々にどのような影響をもたらすものかということを考え、理解してもらえるように、説得することだと思っています。各国政府との信頼関係を築きながら、G8サミットで結ばれた公約が守られ、実行されるように、日本政府を始めG8諸国に働きかけなければなりません。
そのためには私たち、日本やアフリカの市民の人々の声を政府に届け、私たちが何を願っているのか、伝えなければなりません」

タンザニアの16歳の子どもが描いた絵。「村が平和だったら、学校や診療所になんの心配もなく行けるはず」
タンザニアの16歳の子どもが描いた絵。「村が平和だったら、学校や診療所になんの心配もなく行けるはず」

最後にスーザン氏は、アフリカの子どもたちが描いた絵を紹介しました。
「同時に、子どもたち自身の声も届けなければなりません。
ワールド・ビジョンでは、アフリカの子どもたちが『どんなアフリカになってほしい?』というテーマで描いた絵を、アフリカの首脳たちに届けました。子どもたちは、特別なものを求めていません。学校、平和、水…当たり前のものを求めています。
どうか、アフリカの子どもたちの声を聞いてください」
スーザン氏は、力をこめて訴えました。

アンケートに寄せられた感想の一部をご紹介します。

● スーザンさんの言葉はすごく心に響きました。チャイルド・スポンサーの方に参加させて頂いていますが、この活動を自分の周りに広めていくことの必要性を改めて実感しました。1人でできることは小さくても1人1人が関心を持つ事で、変えていく事につながるんですね。
● アドボカシーという活動を知る事ができたのは良かった。今後の成果に期待したいです。ぜひ途上国の首脳、政府を良い方向に導いてほしいと思います。
● お話はとても良かったのですが、せっかくパネルがあるのに写真が少なくてもったいない気がします。写真や映像は何よりも現実を伝える事ができると思います。
● スーザンさんの自国土に対する深い想いを感じられました。どうしたらアフリカが抱える数々の問題を解決できるか、私たちができる事は何か、考えさせられました。

ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!

なお、6月は北海道で「教科書にのっていないアフリカ」が開催されるため、次回のワールド・ビジョン・カフェは7月7日(月)に開催予定です。
詳細は決定次第、ホームページでお知らせします。

あなたのカフェのご感想・ご質問をコミュニティで募集しています。ぜひ、思いを分かち合ってください!